「免停になる人って、実際どれくらいいるの?」——違反点数の仕組みや免許停止の基準はよく解説されますが、処分が年に何件出ているのかは意外と知られていません。警察庁交通局運転免許課は毎年「運転免許統計」を公表しており、令和7年(2025年)版は2026年6月24日に掲載されました。ここでは、その第5章「行政処分関係」と第6章「講習及び認知機能検査関係」の数字を中心に、免許停止・取消しの実態を統計の現物どおりに並べます。
令和7年中の行政処分は合計180,204件
令和7年中に公安委員会が行った運転免許の取消しは 34,510件、停止は 145,694件 で、合計 180,204件 でした(運転免許統計 第31表)。
| 年 | 取消し | 停止 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 令和3年 | 33,759件 | 195,940件 | 229,699件 |
| 令和4年 | 32,980件 | 180,557件 | 213,537件 |
| 令和5年 | 34,546件 | 165,626件 | 200,172件 |
| 令和6年 | 35,737件 | 151,406件 | 187,143件 |
| 令和7年 | 34,510件 | 145,694件 | 180,204件 |
※ 運転免許統計(令和7年版)第31表「運転免許の取消、停止件数の年別推移」による。取消しには初心取消し・病気等・重大違反唆し等による取消しを含み、申請取消し(自主返納)を除く。
合計は令和3年の229,699件から4年間で49,495件、率にして21.5%減りました。ただし減っているのは停止のほうで、195,940件から145,694件へ25.6%の減少です。取消しは33,759件から34,510件へとほぼ横ばいで、令和6年の35,737件が5年間で最多でした。
令和7年末の運転免許保有者数は81,510,369人です(同 第1表)。処分件数を保有者数で割ると、停止は約0.18%(およそ560人に1人)、取消しは約0.04%(およそ2,360人に1人)にあたります。
ポイント:この割合は保有者数と処分件数から当サイトが算出した概算です。処分は1人に複数回あり得るため「処分を受けた人の割合」とは厳密には一致しません。また統計の「取消し」には違反以外の理由(病気等)による取消しも含まれています。
免許停止の64.9%は「30日」
免許停止は、道路交通法第103条第1項に基づき、公安委員会が「六月を超えない範囲内で期間を定めて」行います。停止か取消しかの分かれ目となる点数は施行令の別表第三で決まりますが、30日・60日といった日数の刻みは政令に書かれておらず、運用で決まっています(詳しくは免許停止は何点から?)。運転免許統計は、その日数別に停止件数を集計しています。
| 停止日数 | 令和7年 | 構成率 |
|---|---|---|
| 30日 | 94,595件 | 64.9% |
| 60日 | 21,382件 | 14.7% |
| 90日 | 20,617件 | 14.2% |
| 120日 | 3,881件 | 2.7% |
| 150日 | 2,627件 | 1.8% |
| 180日 | 2,592件 | 1.8% |
| 計 | 145,694件 | 100% |
※ 運転免許統計(令和7年版)第35表「令和7年中の都道府県別運転免許の停止件数」の合計行による。構成率は当サイトで算出。
停止の64.9%は30日で、60日を合わせると115,977件(79.6%)になります。免許停止の約8割は60日以内の処分ということです。統計では30日を「短期」、60日を「中期」、90日以上を「長期」と呼んでおり、長期は合わせて29,717件(20.4%)でした。
5年間の推移を見ると、減り方は日数によって差があります。30日の停止は令和3年の131,163件から令和7年の94,595件へ27.9%減ったのに対し、長期(90日以上)は33,464件から29,717件へ11.2%の減少にとどまります(第31表)。
なお、停止処分を受けた人が停止処分者講習(法第108条の2第1項第3号の講習)を終了したときは、政令で定める範囲内で停止期間が短縮されることがあります(法第103条第10項)。令和7年中の停止処分者講習の受講者は 113,389人 で、内訳は30日の処分者向けの短期が82,880人、60日向けの中期が15,557人、90日以上向けの長期が14,952人でした(第36表)。同じ年の停止件数145,694件と比べると受講者は77.8%に相当する規模ですが、年内の処分と受講が1対1で対応するわけではないため、あくまで目安です。
免許取消しの内訳 ── 欠格期間2年が44.1%
免許を取り消されると、公安委員会は「免許を受けることができない期間」(欠格期間)を指定します。道路交通法第103条第7項は、違反や病気等による取消し(同条第1項)の欠格期間を 1年以上5年以下、同条第8項は、故意による死傷、危険運転致死傷、酒酔い運転、麻薬等運転、ひき逃げ(救護義務違反)など同条第2項に列挙された事由による取消しの欠格期間を 3年以上10年以下 の範囲で指定すると定めています。
運転免許統計の第34表は、令和7年中の取消し34,510件を欠格期間別に集計しています。
| 区分 | 令和7年 | 構成率 |
|---|---|---|
| 欠格期間 1年 | 4,945件 | 14.3% |
| 欠格期間 2年 | 15,202件 | 44.1% |
| 欠格期間 3年 | 1,738件 | 5.0% |
| 欠格期間 4年 | 1,215件 | 3.5% |
| 欠格期間 5年 | 928件 | 2.7% |
| 欠格期間 6〜10年 | 501件 | 1.5% |
| 違反外(病気等による取消し) | 7,946件 | 23.0% |
| 重大違反唆し等 | 1,309件 | 3.8% |
| 初心取消し | 725件 | 2.1% |
| 若年取消し | 1件 | 0.0% |
| 計 | 34,510件 | 100% |
※ 運転免許統計(令和7年版)第34表「令和7年中の都道府県別運転免許の取消件数」の合計行による。「欠格期間 6〜10年」は統計の6年(152件)・7年(58件)・8年(84件)・9年(34件)・10年(173件)の合計、「重大違反唆し等」は同欄の欠格期間1〜8年の合計(2年1,160件・1年119件ほか)。構成率は当サイトで算出。「違反外」は統計の注記どおり病気等による取消し。
欠格期間別に見ると、2年が15,202件で44.1% と突出しています。次いで1年の4,945件(14.3%)、3年の1,738件(5.0%)で、欠格期間が長くなるほど件数は少なくなります。法第103条第7項の上限である5年を超える6〜10年の欠格期間は合わせて501件(1.5%)で、これらは同条第8項の対象となる重大な事由による取消しです。
一方、違反や事故ではなく、病気等を理由とする「違反外」の取消しが7,946件(23.0%)あります。取消しの4件に1件近くは、点数の累積とは別の仕組みで出ているということです。
初心取消しは725件でした。準中型・普通・大型二輪・普通二輪・原付の免許を取得して1年以内の「初心運転者期間」に基準に該当する違反をすると再試験の対象になり(法第100条の2)、再試験に合格できなかった場合や受けなかった場合は免許が取り消されます(法第104条の2の2)。若年取消し(19歳から取得できる大型免許・中型免許・第二種免許の特例取得免許に関する取消し、法第104条の2の4)は1件でした。
都道府県別 ── 停止は大阪が最多、取消しも大阪
第34表・第35表は都道府県警察ごとの件数も載せています。停止・取消しとも大阪府が最多でした。
| 順位 | 停止(第35表) | 件数 | 取消し(第34表) | 件数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 大阪 | 15,505件 | 大阪 | 2,536件 |
| 2 | 警視庁(東京) | 12,942件 | 愛知 | 2,198件 |
| 3 | 埼玉 | 10,619件 | 警視庁(東京) | 1,935件 |
| 4 | 愛知 | 9,912件 | 福岡 | 1,922件 |
| 5 | 兵庫 | 9,525件 | 千葉 | 1,703件 |
| 6 | 神奈川 | 9,406件 | 神奈川 | 1,533件 |
※ 運転免許統計(令和7年版)第34表・第35表による。北海道は道本部と函館・旭川・釧路・北見の方面本部に分かれて集計されている(5つを合計すると停止6,409件・取消し1,468件で、いずれも6位より少ない)。
大阪府の停止15,505件は全国の10.6%、警視庁の12,942件は8.9%を占めます。免許保有者数が多い大都市圏で件数が多くなるのは当然なので、この表は「どの地域が危険か」を示すものではありません。都道府県ごとの取締りの傾向はエリア別ページでも扱っています。
事故直後の「仮停止」は613件
免許停止には、公安委員会の処分とは別に、警察署長が行う 仮停止(法第103条の2)があります。ひき逃げ(救護義務違反)や酒酔い運転などで人を死傷させた場合、あるいは一定の違反で死亡事故を起こした場合に、事故を起こした日から30日を終期として免許の効力を停止するものです。
| 事由 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|
| ひき逃げの死亡・負傷事故 | 170件 | 197件 |
| 酒酔い等の死亡・負傷事故 | 218件 | 251件 |
| その他交通死亡事故 | 144件 | 165件 |
| 合計 | 532件 | 613件 |
※ 運転免許統計(令和7年版)第33表「仮停止件数の年別推移」による。
令和7年の仮停止は613件で、令和6年の532件から15.2%増えました。取消し・停止の合計が減るなかで、この区分だけは令和3年(577件)以降で最多となっています。
更新時講習 ── 3人に2人はゴールド免許の区分
行政処分の件数と対になるのが、免許更新のときに受ける講習の区分別の人数です。更新時講習は、更新前の一定期間の違反・事故の有無によって優良運転者・一般運転者・違反運転者等の区分に分かれます(法第108条の2第1項第11号)。
| 講習区分 | 令和7年 | 構成率 |
|---|---|---|
| 優良運転者講習 | 9,770,499人 | 66.6% |
| 一般運転者講習 | 2,371,865人 | 16.2% |
| 違反運転者講習 | 1,436,762人 | 9.8% |
| 初回更新者講習 | 1,091,430人 | 7.4% |
| 合計 | 14,670,556人 | 100% |
※ 運転免許統計(令和7年版)第37表「更新時講習の受講者数の年別推移」による。受講者数には特定失効者・特定取消処分者を含み、一般・優良はオンライン講習の受講者を含む。構成率は当サイトで算出。
令和7年中に更新時講習を受けた14,670,556人のうち、優良運転者講習(いわゆるゴールド免許の区分)が9,770,499人で 66.6%、更新者のおよそ3人に2人にあたります。違反運転者講習は1,436,762人(9.8%)で、令和3年の2,046,024人から4年間で29.8%減りました。
高齢運転者向けの数字も同じ統計にあります。令和7年中の認知機能検査の受検者は2,809,442人、高齢者講習の受講者は4,025,601人(うち75歳以上2,787,103人)でした(第38表)。
自主返納は435,067件 ── 処分による取消しの12.6倍
冒頭の取消し34,510件には、本人の申請による取消し(いわゆる自主返納。法第104条の4)は含まれていません。申請取消しは別の表で集計されており、令和7年中は 435,067件 でした(第18表)。処分による取消しの12.6倍にあたります。返納が認められない場合や、返納のあとに申請できる運転経歴証明書は免許の自主返納の記事で扱っています。
| 年 | 申請取消件数 | うち75歳以上 | 構成率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年 | 382,957件 | 261,569件 | 68.3% |
| 令和6年 | 427,914件 | 264,916件 | 61.9% |
| 令和7年 | 435,067件 | 260,915件 | 60.0% |
※ 運転免許統計(令和7年版)第18表「申請による運転免許の取消件数の年別推移」による。一部取消しを除く。
令和7年の申請取消しは65歳以上が413,330件(95.0%)、75歳以上が260,915件(60.0%)を占めます。同じ年の運転経歴証明書の交付件数は297,359件で、令和7年はマイナンバーカードへの運転経歴情報の記録件数を含みます(第19表)。
数字を読むときの注意
この統計に載っているのは、公安委員会・警察署長が行った 処分の件数 です。違反をした人の数でも、事故の件数でもありません。処分は違反の日から一定の手続きを経て行われるため、同じ年の取締り件数と年をそろえて割り算しても正確な「処分率」にはなりません。
また、取消し34,510件のうち23.0%は病気等による「違反外」の取消しで、点数の累積によるものではありません。「免許取消し=重大な違反」と読むのは正確ではないことになります。
処分の基準そのものは、違反点数はいつ消える?と免許停止は何点から?で条文に沿って整理しています。個々の違反の点数は交通違反の点数一覧をご覧ください。
年間14万件を超える免許停止のうち、約8割は60日以内の処分です。前歴がなければ累積6点から停止の対象になり、6点は一度の違反でも届く点数です。処分の件数を知ることが、日々の運転で違反を1つ減らすきっかけになれば幸いです。
見かけた取り締まりを共有して、みんなの注意喚起に。
よくある質問
警察庁の運転免許統計によると、令和7年(2025年)中の免許停止は145,694件でした。同年末の運転免許保有者数81,510,369人と比べると約0.18%、およそ560人に1人の割合です(割合は保有者数と処分件数から算出した概算)。停止の内訳は30日が94,595件で全体の64.9%、60日が21,382件、90日以上が29,717件です。
令和7年中の免許取消しは34,510件です。このうち違反や事故を理由とするものは欠格期間別に集計されており、2年が15,202件(44.1%)、1年が4,945件、3年が1,738件と続きます。病気等を理由とする「違反外」の取消しも7,946件(23.0%)含まれます。自主返納(申請による取消し)435,067件はこの数字には入っていません。
30日です。令和7年中の停止145,694件のうち30日の停止は94,595件で64.9%を占めます。60日を含めると115,977件(79.6%)になり、免許停止の約8割は60日以内の処分です。90日・120日・150日・180日の長期停止は合わせて29,717件(20.4%)でした。
減っています。取消しと停止の合計は令和3年の229,699件から令和7年の180,204件へ4年間で21.5%減りました。減っているのは主に停止(195,940件から145,694件、25.6%減)で、取消しは33,759件から34,510件とほぼ横ばいです。取締り件数そのものも同じ期間に減っているため、処分件数だけで運転マナーの良し悪しを判断することはできません。
走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。
都道府県別の取り締まりデータ
道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。
47都道府県のランキングを見る本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。