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意見の聴取とは?免許取消し・90日以上の免停の前に開かれる手続きを条文で確認

意見の聴取は、重い行政処分を受ける人が処分の前に意見を述べ、有利な証拠を出せる場です。対象は違反による取消しと90日以上の停止で、30日・60日の停止にはこの手続きがありません。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.10.04約7分で読めます

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「処分の前に意見を言える 意見の聴取」の文字と、運転免許証、その横に浮かぶ白い吹き出しを描いた、マスコットのトラくんを添えたイラスト

免許の取消しや長い停止の処分を受ける前に、「意見の聴取」の通知が届くことがあります。何をする場なのか、行かないとどうなるのか、どの処分で開かれるのかを、道路交通法と同法施行令の原文で確認します。

意見の聴取は「重い処分の前に意見を述べる場」

道路交通法104条1項は、公安委員会が次の処分をしようとするとき、公開による意見の聴取を行わなければならないと定めています。

  • 違反(103条1項5号)を理由とする免許の取消し
  • 違反(同号)を理由とする90日以上の免許の停止
  • 酒酔い運転・ひき逃げなどの特定の違反(103条2項1号〜4号)を理由とする免許の取消し

90日という線には括弧書きがあり、公安委員会が90日を超えない範囲で別の期間を定めたときは、その期間以上の停止が対象になります(104条1項)。

ポイント:意見の聴取があるのは、違反を理由とする取消しと90日以上の停止です。違反による30日・60日の停止には、この手続きはありません。

意見の聴取では、処分を受ける人またはその代理人が、事案について意見を述べ、有利な証拠を提出することができます(104条2項)。公安委員会は、必要があれば、道路交通に詳しい参考人や事案の関係人を呼んで意見や事情を聴くこともできます(同条3項)。

なお公安委員会は、停止の処分とこれに関する意見の聴取の事務を警視総監や道府県警察本部長に行わせることができます(道路交通法114条の2第1項)。

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処分の種類と、処分前の手続き

処分の前にどの手続きが開かれるかは、処分の重さと理由で分かれます。違反を理由とする処分は道路交通法の「意見の聴取」、病気などの理由による処分は行政手続法の「聴聞」です。

処分理由処分前の手続き根拠
取消し違反(103条1項5号)意見の聴取道路交通法104条1項
取消し酒酔い運転・ひき逃げなどの特定の違反(103条2項1号〜4号)意見の聴取同上
90日以上の停止違反(103条1項5号)意見の聴取同上
90日未満の停止違反(103条1項5号)定めなし(理由の提示はある)道路交通法113条の2
取消し病気・中毒など(103条1項のうち5号以外)聴聞(公開)行政手続法13条1項1号・道路交通法104条の2第2項
90日以上の停止同上聴聞(公開)道路交通法104条の2第1項
取消し道路外での死傷のうち、故意によるものや危険運転致死傷などの罪に当たるもの(103条2項5号)聴聞(公開)同条2項

※ 道路交通法103条2項1号〜4号は、故意による死傷・建造物損壊、危険運転致死傷などの罪に当たる行為、酒酔い運転・麻薬等運転・高速道路等で著しい危険を生じさせた妨害運転(117条の2第1項1号・3号・4号)、救護義務違反(117条1項・2項)です。初心運転者期間の再試験を受けなかったことによる取消しにも、意見の聴取の規定が準用されます(104条の2の2第6項)。

90日以上の停止がどれくらいあるかの目安として、警察庁の運転免許統計(令和7年版)によると、令和7年中の免許停止145,694件のうち、90日・120日・150日・180日の停止は合わせて29,717件でした。停止の日数別の内訳は免停・免許取消しは年間何件?で扱っています。

通知から当日までの流れ

通知は期日の1週間前までに文書で届く。 公安委員会は、意見の聴取の期日の1週間前までに、処分をしようとする理由と、期日・場所を本人に通知しなければなりません(道路交通法104条1項後段)。この通知は文書で行います(施行令39条1項)。

期日と場所は公示される。 公安委員会は期日と場所をインターネットで閲覧できる状態に置き、あわせて公安委員会の掲示板への掲示か庁舎の端末での表示をします(施行令39条2項・施行規則30条の2の2)。意見の聴取そのものも公開で行われます(法104条1項)。期日と場所をインターネットにも載せる方法は2026年5月21日からのもので、改正の中身は道交法の「公示」のネット掲載の記事で整理しています。

当日は意見と証拠を出せる。 本人か代理人が意見を述べ、有利な証拠を提出できます(104条2項)。

欠席すると、意見の聴取なしで処分されることがある。 本人や代理人が正当な理由なく出頭しないとき、または所在が分からず通知ができず、公示から30日たっても所在が判明しないときは、公安委員会は意見の聴取を行わずに処分をすることができます(104条4項)。

引っ越していた場合の扱いも決まっています。処分の前に住所を他の都道府県に移していたときは、意見の聴取を終えている場合を除き、事案は新しい住所地の公安委員会に移されます(103条3項・4項)。

よくある誤解

「免停になる人は、みな意見の聴取を受ける」わけではありません。 違反による停止で意見の聴取が開かれるのは90日以上(公安委員会がより短い期間を定めた場合はその期間以上)の停止だけです(104条1項)。さらに道路交通法113条の2は、違反による停止などについて行政手続法第3章(12条と14条を除く)を適用しないと定めているため、90日未満の停止には聴聞も弁明の機会もありません。適用が残る14条により、処分の理由は示されます。

「何点から意見の聴取」とは条文に書かれていません。 104条1項が線を引いているのは「取消し」か「90日以上の停止」かという処分の種類です。何点で何日の停止になるかは政令に定めがなく、都道府県警察の運用で決まります(免許停止は何点から?)。

「行かなければ処分は先送りになる」わけではありません。 正当な理由なく出頭しないときは、意見の聴取を行わずに処分できます(104条4項)。

意見の聴取と聴聞は、根拠も対象も別の手続きです。 違反を理由とする処分は道路交通法104条の意見の聴取、病気などの理由(103条1項のうち5号以外)による取消しや90日以上の停止は行政手続法の聴聞(道路交通法104条の2が公開などの特例を定める)です。名前が似ていても、どちらの手続きかは処分の理由で決まります。

述べた意見がどう反映されるかは、条文に定めがありません。 104条が保障しているのは、意見を述べ、有利な証拠を出す機会です。処分そのものは、103条1項に基づき政令で定める基準に従って公安委員会が決めます。

意見の聴取と関係する制度

  • 免許の取消しと欠格期間: 取消しの区分に当たる点数と、再び免許を受けられない期間(欠格期間)は免許取消しと欠格期間で扱っています。
  • 前歴: 過去3年以内に停止や取消しを受けていると、同じ点数でも処分が重くなります。数え方は免許の「前歴」とは?で確認できます。
  • 停止期間の短縮: 違反による停止を受けた人が、道路交通法108条の2第1項3号の講習を終えると、政令で定める範囲内で停止の期間が短縮されることがあります(103条10項)。

意見の聴取は、取消しや長い停止という重い処分の前に開かれる手続きです。その手前で処分に至らないよう、日ごろから安全運転を心がけてください。

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よくある質問

公安委員会が免許の取消しや90日以上の停止をしようとするとき、処分を受ける人やその代理人に、処分の前に意見を述べ、有利な証拠を提出する機会を与える手続きです。公開で行われます(道路交通法104条1項・2項)。

法律が決めているのは点数ではなく処分の種類で、違反を理由とする取消しと、90日以上の停止が対象です(道路交通法104条1項)。公安委員会が90日より短い期間を定めた場合は、その期間以上の停止が対象になります。停止の日数が何点で決まるかは政令に定めがなく、都道府県警察の運用によります。

違反を理由とする90日未満の停止は、意見の聴取の対象ではありません(道路交通法104条1項)。この停止には行政手続法の聴聞・弁明の機会の規定も適用されないため、処分の前に意見を述べる手続きは法律上定められていません(道路交通法113条の2)。処分の理由の提示(行政手続法14条)は適用されます。

本人や代理人が正当な理由なく出頭しないときは、公安委員会は意見の聴取を行わずに取消しや停止の処分をすることができます(道路交通法104条4項)。所在が分からず通知ができない場合も、公示から30日たっても所在が判明しなければ同じ扱いです。

できます。道路交通法104条2項は、処分を受ける人「又はその代理人」が意見を述べ、有利な証拠を提出できると定めています。

走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。

AREA DATA

都道府県別の取り締まりデータ

道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。

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本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。