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免許取消しと欠格期間|一般違反は1〜5年・特定違反行為は最長10年を条文で確認

免許取消しの重さは「何年間、免許を受けられないか」で決まります。その年数は点数と前歴から政令の表で決まり、明けても免許は自動的には戻りません。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.09.28約7分で読めます

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「欠格期間 1〜10年」の文字と、赤い×印が重なった運転免許証、砂が落ちている砂時計を描いた、マスコットのトラくんを添えたイラスト

免許取消しは、免許停止と違って「期間が明ければ運転に戻れる」処分ではありません。免許そのものが失われ、そのうえで一定期間は新しく免許を受けることもできなくなります。この期間を施行令の見出しは「免許の欠格期間」と呼んでいます。ここでは、何点で取消しになり、欠格期間が何年になるのかを条文と別表で確認し、明けた後に何が必要かまで整理します。

免許取消しになるのはどんなときか

違反を理由とする取消しは、道路交通法103条の2つの項に分かれています。

  • 103条1項5号: 自動車等の運転に関する違反。一般違反行為の累積点数が一定以上になると、政令の基準に従って取消しになります。
  • 103条2項: 故意に人を死傷させる行為、危険運転致死傷など自動車運転死傷処罰法2条から4条の罪に当たる行為、酒酔い運転・麻薬等運転・妨害運転(著しい交通の危険)、救護義務違反など。点数の上ではこれらが「特定違反行為」にあたります。

一般違反行為で取消しになる点数は、前歴がなければ累積15点からです(施行令38条5項1号イ・別表第三 一の表 第六欄)。累積点数は過去3年分を合計する仕組みで、違反点数はいつ消える?で扱っています。

ポイント:15点に届く違反は1回でも起こり得ます。酒気帯び運転(呼気0.25ミリグラム以上)は単独で25点、酒酔い運転は特定違反行為の35点です(施行令 別表第二)。

なお取消しには、病気や認知症、身体の障害など違反以外を理由とするものもあります(103条1項1号から3号)。こちらは点数ではなく施行令38条1項から3項の基準で判断されるため、この記事では違反を理由とする取消しを扱います。

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一般違反行為による取消しの欠格期間(1〜5年)

道路交通法103条7項は、1項による取消しの欠格期間を「一年以上五年を超えない範囲内」で、政令の基準に従って指定するとしています。その基準が施行令38条6項2号で、累積点数が別表第三 一の表のどの欄に当たるかで年数が決まります。

欠格期間前歴なし前歴1回前歴2回前歴3回以上
1年15〜24点10〜19点5〜14点4〜9点
2年25〜34点20〜29点15〜24点10〜19点
3年35〜39点30〜34点25〜29点20〜24点
4年40〜44点35〜39点30〜34点25〜29点
5年45点以上40点以上35点以上30点以上

※ 道路交通法施行令38条6項2号・別表第三 一の表(第二欄〜第六欄)による。これより少ない点数の区分(前歴なしなら6〜14点)は停止で、免許停止は何点から?で扱っています。

前歴がなくても、酒気帯び運転(0.25以上)の25点だけで2年の区分に入ります。前歴が3回以上あれば、4点で取消し(欠格期間1年)です。

特定違反行為による取消しの欠格期間(3〜10年)

103条8項は、2項による取消しの欠格期間を「三年以上十年を超えない範囲内」としています。基準は施行令38条7項1号で、累積点数を別表第三 二の表に当てはめます。

欠格期間前歴なし前歴1回前歴2回前歴3回以上
3年35〜39点―――
4年40〜44点35〜39点――
5年45〜49点40〜44点35〜39点―
6年50〜54点45〜49点40〜44点35〜39点
7年55〜59点50〜54点45〜49点40〜44点
8年60〜64点55〜59点50〜54点45〜49点
9年65〜69点60〜64点55〜59点50〜54点
10年70点以上65点以上60点以上55点以上

※ 道路交通法施行令38条7項1号・別表第三 二の表(第二欄〜第九欄)による。「―」は該当する欄がないことを示す。

特定違反行為の点数は、別表第二 二の表で次のように定められています。

特定違反行為点数
運転殺人等または危険運転致死等62点
運転傷害等・危険運転致傷等(治療期間3月以上または後遺障害)55点
運転傷害等・危険運転致傷等(治療期間30日以上)51点
運転傷害等・危険運転致傷等(治療期間15日以上)48点
運転傷害等・危険運転致傷等(治療期間15日未満など)45点
酒酔い運転、麻薬等運転、妨害運転(著しい交通の危険)、救護義務違反35点

※ 道路交通法施行令 別表第二 二の表による。

たとえば前歴のない人が酒酔い運転の35点だけで取り消されれば欠格期間は3年、危険運転致死等の62点だけなら8年の区分です。過去3年のほかの違反の点数が累積すれば、そのぶん上の区分になります。

過去に取消しを受けた人は長くなる

施行令は、過去に免許の取消し等を受けたことがある人を「免許取消歴等保有者」と定義しています(施行令33条の2第1項2号。病気等を理由とする取消しは除かれます)。この人が、前の処分で指定された期間が満了した日から5年を経過する日までの間(施行令38条6項3号の「特定期間」)に違反をして再び取り消されると、欠格期間は次のように長い区分になります。

別表第三の欄一般違反行為特定違反行為
第二欄〜第四欄5年10年
第五欄4年9年
第六欄3年8年
第七欄―7年
第八欄―6年
第九欄―5年

※ 一般違反行為は施行令38条6項3号、特定違反行為は同条7項2号による。一般違反行為の第七欄は停止の区分のため取消しの欄はない。

一般違反行為でも最短3年、特定違反行為では最短5年になります。

よくある誤解

「欠格期間が終われば免許が戻る」わけではありません。 取消しで免許は失われています。欠格期間は「免許を受けることができない期間」であって、明けた後はあらためて運転免許試験に合格する必要があります。さらに違反などを理由に取り消された人は、受験の前1年以内に取消処分者講習を終了していなければなりません(道路交通法96条の3第1項。講習は同法108条の2第1項2号、名称は108条の4第1項1号)。

「欠格期間は最長5年」ではありません。 5年が上限なのは一般違反行為による取消しで、特定違反行為による取消しは最長10年です(103条8項)。

「取消しは15点から」は前歴がない場合の話です。 前歴が1回なら10点、2回なら5点、3回以上なら4点から取消しの区分に入ります(別表第三 一の表 第六欄)。前歴の数え方は違反点数はいつ消える?で確認できます。

欠格期間は違反の日ではなく、取り消された日から数えます(道路交通法88条1項3号)。

取消しまでの手続きと、その後

違反を理由に免許を取り消そうとするとき、公安委員会は公開による意見の聴取を行わなければなりません(道路交通法104条1項)。期日の1週間前までに、処分をしようとする理由と期日・場所が本人に通知され、公示もされます。本人や代理人は意見を述べ、有利な証拠を提出できます(同条2項)。正当な理由なく出頭しない場合などは、意見の聴取を行わずに処分できるとされています(同条4項)。

取消しの後は、欠格期間が明けるのを待ち、取消処分者講習を受けて、運転免許試験を受け直す流れになります。

警察庁の運転免許統計(令和7年版)によると、令和7年中の運転免許の取消しは34,510件で、欠格期間別では2年が15,202件と最も多くなっています。件数の内訳は免停・免許取消しは年間何件?で詳しく扱っています。

欠格期間の年数は、点数と前歴の組み合わせで機械的に決まります。取消しに届く点数は1回の違反でも積み上がるため、飲酒運転をしない・させないことを含め、日ごろから安全運転を心がけてください。

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よくある質問

一般違反行為による取消しなら1年から5年、特定違反行為(酒酔い運転、麻薬等運転、救護義務違反、危険運転致死傷など)による取消しなら3年から10年です(道路交通法103条7項・8項)。具体的な年数は、累積点数と前歴の回数に応じて道路交通法施行令38条6項・7項と別表第三で決まります。

呼気1リットルにつき0.25ミリグラム以上の酒気帯び運転は25点です(道路交通法施行令 別表第二)。前歴がなく、ほかに累積する点数がなければ、別表第三 一の表の第五欄(25点から34点まで)に当たり、欠格期間は2年です(同令38条6項2号ニ)。0.25ミリグラム未満は13点で、前歴がなければ停止の区分になります。

戻りません。取消しで免許は失われているため、欠格期間が過ぎてからあらためて運転免許試験を受けることになります。違反などを理由に取り消された人は、受験の前1年以内に取消処分者講習を終了していなければなりません(道路交通法96条の3第1項)。

免許を取り消された日から起算します(道路交通法88条1項3号)。違反をした日からではありません。

違反を理由とする取消しでは、公安委員会が公開による意見の聴取を行います(道路交通法104条1項)。期日の1週間前までに処分の理由と期日・場所が通知され、本人や代理人は意見を述べ、有利な証拠を出すことができます(同条2項)。

走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。

AREA DATA

都道府県別の取り締まりデータ

道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。

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本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。