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道交法の「公示」は2026年5月21日からネットにも——反則金の公示通告や意見の聴取の期日など5つ

道路交通法には、相手に書面を届けられないときや届ける必要がないときに、掲示板に掲示して知らせる「公示」の仕組みがいくつかあります。2026年5月21日から、そのうち5つが、インターネットで誰でも見られる状態に置いたうえで、掲示板への掲示か庁舎の端末での表示をあわせて行う方法に変わりました。改正前と改正後の条文を突き合わせて、何がどう変わったのかを整理します。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.10.19約10分で読めます

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「道交法の公示は2026年」「5月21日からネットにも」の文字と、白い紙を留めた掲示板と、同じ紙が画面に映ったスマートフォンを描いた、マスコットのトラくんを添えたイラスト

道路交通法には、相手に書面を届けられないときや、届ける必要がないときに、掲示板に掲示して知らせる「公示」の仕組みがいくつかあります。反則金を仮納付した人への通告や、所在が分からない人への放置違反金の通知、免許の取消し・停止の前に行う意見の聴取の期日などです。

2026年5月21日から、これらのうち5つの公示の方法が変わりました。インターネットで誰でも見られる状態に置いたうえで、掲示板への掲示か、庁舎などに置いた端末での表示をあわせて行う、という方法です。ここでは、e-Gov 法令検索の改正前と改正後の条文を突き合わせて、何がどう変わったのかを整理します。

変わったのは5つの公示

2026年5月21日から方法が変わった公示は、次の5つです。

公示根拠改正前2026年5月21日から
放置違反金の弁明の機会の通知(所在が分からない人)道路交通法51条の4第7項公安委員会の掲示板に掲示インターネットに掲載+掲示板に掲示(または庁舎の端末で表示)
放置違反金の公示による納付命令(仮納付をした人)施行令17条の5公安委員会の掲示板に掲示インターネットに掲載+掲示板に掲示(または庁舎の端末で表示)
警察署長が保管した工作物等の公示施行令29条(32条で転落積載物等に準用)警察署の掲示板に14日間掲示し、なお持ち主が分からなければ要旨を都道府県の公報か新聞に掲載14日間、インターネットに掲載+掲示板に掲示(または警察署の端末で表示)。公報・新聞への掲載の号は削除
意見の聴取の期日・場所の公示施行令39条2項公安委員会の掲示板に掲示インターネットに掲載+掲示板に掲示(または庁舎の端末で表示)
反則金の公示通告(仮納付をした人)施行令54条告知書に書かれた場所の都道府県警察の掲示板に掲示インターネットに掲載+掲示板に掲示(またはその場所の端末で表示)

※ 道路交通法は令和5年法律第63号、施行令は令和8年政令第164号(2026年5月7日公布)による改正。改正前の条文は e-Gov 法令検索の改正前の版(道路交通法は2026年4月1日施行の版、施行令は2026年4月1日施行の版)による。

改正後の条文はどれも同じ組み立てで、「内閣府令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに」、書面を掲示板に掲示し、「又は」庁舎などに設置した電子計算機の映像面に表示したものを閲覧できる状態に置く、と書かれています。

ポイント:インターネットへの掲載は、掲示板への掲示の代わりではありません。インターネットに載せたうえで、掲示板への掲示か端末での表示のどちらかをあわせて行います。

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「インターネットで閲覧できる状態」とは

「内閣府令で定める方法」は、道路交通法施行規則7条の6の2に定められています。公安委員会のコンピュータのファイルに記録した事項を、閲覧する人のコンピュータの画面に表示させるもので、インターネットに接続された自動公衆送信装置を使うもの、という定めです。簡単に言えば、公安委員会などのウェブサイトに掲載する方法です。

施行規則は、この7条の6の2を、公示による納付命令(7条の7第2項)、保管した工作物等の公示(13条1項)、意見の聴取の期日・場所の公示(30条の2の2)、反則金の公示通告(45条2項)にも準用しています。工作物等の公示では公安委員会が「警察署長」に、公示通告では「警視総監又は道府県警察本部長」に読み替えられます。施行規則のこの改正(令和8年内閣府令第46号)も、2026年5月21日から施行されています。

反則金の「公示通告」——仮納付をした人への通告

交通反則通告制度では、反則行為をした人は警察官から告知を受け、その後に警察本部長から反則金の納付の通告を受けます。告知を受けた人は、告知を受けた日の翌日から起算して7日以内に、反則金に相当する金額を仮納付することができます(道路交通法129条1項)。

仮納付をした人への通告は、公示で行うことができます(同条2項)。仮納付をした人に通告があると、その人は反則金を納付したものとみなされます(同条3項)。すでにお金を納めている人に、改めて通告書を送らなくても済むようにする仕組みです。反則金の納め方は「反則金の納付方法と期限」で扱っています。

2026年5月21日からの公示通告の中身は次のとおりです。

  • 公示する事項: 反則者、通告の内容、通告の理由(施行規則45条1項)。
  • 方法: その事項をインターネットで閲覧できる状態に置き、あわせて書面を告知書に書かれた場所の都道府県警察の掲示板に掲示するか、その場所に置いた端末で表示する(施行令54条1項)。
  • 相手の特定: 告知書の番号と告知の年月日で特定する(同条2項)。
  • 効力: 措置を開始した日から起算して3日を経過した日に効力を生じる(同条3項)。改正前は「掲示を始めた日」から数えていました。

放置違反金の公示——弁明の機会の通知と納付命令

放置違反金では、2つの公示の方法が変わりました。放置違反金の制度そのものは「放置違反金と反則金の違い」で扱っています。

弁明の機会の通知(道路交通法51条の4第7項)。 公安委員会は、納付命令をしようとするとき、あらかじめ車両の使用者に、納付命令の原因となる事実と、弁明書の提出先・提出期限を書面で通知し、弁明の機会を与えなければなりません(同条6項)。納付命令を受けるべき人の所在が分からないときは、この通知を公示で行うことができます。公示する事項は、その人の氏名、弁明書の提出先と提出期限、通知の内容を書いた書面をいつでも交付する旨です。措置を開始した日から2週間を経過したときに、通知が本人に到達したものとみなされます。この項は施行令ではなく法律の規定で、令和5年法律第63号による改正です。

公示による納付命令(施行令17条の5)。 弁明の機会の通知を受けた人は、弁明書の提出期限までに放置違反金に相当する金額を仮納付することができ(法51条の4第9項)、仮納付をした人への納付命令は公示で行うことができます(同条10項)。公示する事項は、納付命令を受ける者、納付命令の内容、納付命令の理由です(施行規則7条の7第1項)。相手は氏名以外の事項で特定し(施行令17条の5第2項)、措置を開始した日から起算して3日を経過した日に効力を生じます(同条3項)。

意見の聴取の期日・場所の公示

公安委員会は、違反を理由に免許を取り消すときや、90日以上の免許の停止をするときなどに、公開による意見の聴取を行わなければなりません。期日の1週間前までに、本人に処分の理由と期日・場所を通知し、あわせて期日と場所を公示します(道路交通法104条1項)。

この公示が、2026年5月21日から、期日と場所をインターネットで閲覧できる状態に置き、あわせて公安委員会の掲示板に掲示するか庁舎の端末で表示する方法になりました(施行令39条2項・施行規則30条の2の2)。改正前の施行令39条2項は「公安委員会の掲示板に掲示して行うものとする」だけでした。

本人の所在が分からず通知ができない場合は、公示をした日から30日を経過しても所在が分からなければ、意見の聴取を行わないで免許の取消しや停止をすることができます(道路交通法104条4項)。意見の聴取の手続全体は「意見の聴取とは」で扱っています。

警察署長が保管した工作物等の公示

道路交通法76条・77条に違反して道路に設置された工作物や置かれた物件について、設置した人・置いた人の氏名・住所が分からないとき、警察署長は自ら除去して保管することができます(道路交通法81条2項)。保管したときは、持ち主などに返還するため、政令で定める事項を公示します(同条3項)。

改正前の施行令29条は、保管を始めた日から14日間、警察署の掲示板に掲示し(1号)、その期間が過ぎてもなお持ち主などの氏名・住所が分からないときは、公示の要旨を都道府県の公報か新聞に掲載する(2号)、と定めていました。2026年5月21日からは、14日間、インターネットで閲覧できる状態に置き、あわせて警察署の掲示板に掲示するか警察署の端末で表示する方法になり、公報・新聞への掲載の号は削られました。道路に転落・飛散した車両等の積載物(転落積載物等。法81条の2)にもこの条が準用されており(施行令32条1項)、特に貴重なものは「官報」に掲載するとしていた読替えも削られています。

2026年5月20日までにした公示は改正前の方法のまま

改正政令の附則2項は、改正後の施行令17条の5第1項・3項、29条(32条で準用する場合を含む)、39条2項、54条1項・3項を、2026年5月21日以後にする公示・通告に適用し、それより前にした公示・通告は従前の例によると定めています。道路交通法51条の4第7項についても、令和5年法律第63号の附則2条5号が、施行日以後にする通知に改正後の規定を適用すると定めています。

改正の経緯

警察庁の広報資料(2026年4月28日)によれば、この改正は「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」(2022年6月3日 デジタル臨時行政調査会決定)を踏まえたものです。都道府県公安委員会などの掲示板への掲示で行うこととされている公示等を、インターネットで不特定多数の者が閲覧できる状態に置く措置などで行うようにする、と説明されています。

政令案などについては2026年3月13日から4月11日まで意見公募手続が行われ、公示のデジタル化の部分には16件の意見が寄せられました。意見を踏まえた修正は形式的なものにとどまったとされています。施行日の2026年5月21日は、令和5年法律第63号の附則1条2号に掲げる規定の施行の日です。改正政令の理由には、「情報通信技術の進展を踏まえ、放置違反金の納付命令に係る公示等を電子化する必要があるからである」と書かれています。

この広報資料は警察庁が所管する他の法令(銃砲刀剣類所持等取締法施行規則など)の改正もまとめて扱っていますが、この記事では道路交通法と施行令・施行規則の部分だけを扱いました。

走る人にとって意味すること

公示が使われるのは、反則金を仮納付した人への通告や、所在が分からない人への通知など、限られた場面です。それでも、免許の処分の前の意見の聴取のように、知らないうちに期日が過ぎると、意見を述べる機会を失うことがある手続も含まれています。住所が変わったときは公安委員会への届出(道路交通法94条1項)を済ませ、警察や公安委員会からの通知が届くようにしておきましょう。

この改正は公示の方法を変えるもので、反則金の額や違反点数の基準を変えるものではありません。何より、通知や処分の手続が必要になる違反をしないことがいちばんです。交通ルールを守り、安全運転を心がけましょう。

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よくある質問

交通反則通告制度の通告を、本人に書面を送る代わりに公示で行う方法です。対象は、告知を受けた日の翌日から7日以内に反則金に相当する金額を仮納付した人に限られます(道路交通法129条1項・2項)。2026年5月21日からは、反則者・通告の内容・通告の理由をインターネットで閲覧できる状態に置き、あわせて告知書に書かれた場所の都道府県警察の掲示板に掲示するか、その場所の端末で表示して行います(施行令54条1項・施行規則45条)。

施行令54条2項は、公示通告の相手を告知書の番号と告知の年月日で特定すると定めています。放置違反金の公示による納付命令も、氏名以外の事項で相手を特定すると定められています(施行令17条の5第2項)。一方、所在が分からない人への放置違反金の弁明の機会の通知は、その人の氏名が公示する事項に含まれています(道路交通法51条の4第7項)。

反則金の公示通告と放置違反金の公示による納付命令は、措置を開始した日から起算して3日を経過した日に効力を生じます(施行令54条3項・17条の5第3項)。放置違反金の弁明の機会の通知を公示で行った場合は、措置を開始した日から2週間を経過したときに本人に到達したものとみなされます(道路交通法51条の4第7項後段)。改正前は、いずれも「掲示を始めた日」から数えていました。

なくなっていません。改正後の条文は、インターネットで閲覧できる状態に置くとともに、書面を掲示板に掲示するか、庁舎などに置いた端末の画面に表示して閲覧できる状態に置く、という形です。インターネットへの掲載が加わり、掲示板への掲示は端末での表示に置き換えることもできるようになりました。

改正前の方法のまま扱われます。改正政令の附則2項は、改正後の規定を2026年5月21日以後にする公示・通告に適用し、それより前にした公示・通告は従前の例によると定めています。道路交通法51条の4第7項についても、令和5年法律第63号の附則2条に同じ趣旨の経過措置があります。

AREA DATA

都道府県別の取り締まりデータ

道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。

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本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。