運転免許証の更新のお知らせを見て、「今回はゴールド免許になるのか」が気になる人は多いはずです。ゴールド免許は道路交通法では「優良運転者」と呼ばれる区分で、条件は法律と政令に書かれています。どんな人が優良運転者になり、違反をするとどの区分に変わるのかを、道路交通法と同法施行令・施行規則の原文で確認します。
ゴールド免許は「優良運転者」の区分
道路交通法は、免許証の有効期間を決めるために、免許を受けている人を次の3つに分けています(95条の6第1項の表の備考一)。
| 区分 | 定義 | 根拠 |
|---|---|---|
| 優良運転者 | 更新日等までに継続して免許を受けている期間が5年以上で、法令の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合する人 | 95条の6第1項の表の備考一ロ |
| 一般運転者 | 優良運転者でも違反運転者等でもない人 | 同ハ |
| 違反運転者等 | 更新日等までに継続して免許を受けている期間が5年以上で、遵守の状況が不良な者として政令で定める基準に該当する人、またはその期間が5年未満の人 | 同ニ |
免許を受けた人が優良運転者であるときは、免許証にその旨が記載されます(93条1項5号)。「ゴールド免許」は法令用語ではなく、この優良運転者の免許証の通称です。
通称のもとになっている免許証の色は、条文ではなく警察庁の通達が決めています。通達「運転免許証の色分け等による区分について」(令和7年3月18日 丁運発第139号・2025年3月24日から運用)は、優良運転者用の免許証の有効期間欄を**金色(ゴールド)**にし、免許の条件等欄の一部に「優良」と黒色文字で表示するとしています。ほかの区分は、新規免許取得者用(黄緑色)とその他の運転者(薄青色)です。色分けの区分と免許証番号の意味は免許証の色と番号の記事で扱っています。
ポイント:ゴールド免許の条件は、免許を継続して5年以上受けていることと、基準日より前の5年間に違反行為などをしていないことの2つです。
優良運転者になる条件
政令で定める基準は施行令33条の7第1項にあります。通常の更新を受ける人については、次の日の前5年間に、違反行為または施行令別表第四・別表第五に掲げる行為をしたことがないことです。
- 基準日: 更新前の免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日(特定誕生日)の40日前の日(施行令33条の7第1項1号)
別表第四・別表第五に掲げる行為は、他人に重大な違反をそそのかすなどの行為(重大違反唆し等)と、道路以外の場所で自動車等を運転して人を死傷させる行為(道路外致死傷)のうち、一定のものです。
これに、法律の側の要件として、更新日等までに継続して免許(仮免許を除く)を受けている期間が5年以上あることが加わります(95条の6第1項の表の備考一ロ)。
違反をするとどの区分になるか
違反運転者等の基準は施行令33条の7第2項にあります。基準日前の5年間に違反行為や別表第四・第五の行為をしたことがあると違反運転者等になりますが、軽微違反行為1回のほかにこれらの行為をしていない場合は除かれます。 除かれた人は優良運転者でも違反運転者等でもないので、一般運転者になります。
軽微違反行為は、施行令別表第二の一の表で付される点数が3点以下の一般違反行為です(施行令37条の8第1項)。
| 基準日前5年間の違反 | 区分 | 根拠 |
|---|---|---|
| 違反行為も別表第四・第五の行為も無い | 優良運転者 | 施行令33条の7第1項 |
| 3点以下の違反(軽微違反行為)1回だけ | 一般運転者 | 同条2項の括弧書き |
| 3点以下の違反1回だけだが、それによって人の死傷や建造物の損壊を伴う交通事故を起こした、または事故のときの救護などの措置の義務(道路交通法72条1項前段)に違反した | 違反運転者等 | 同条2項の括弧書きの中の括弧書き |
| 3点以下の違反が2回以上、または4点以上の違反がある | 違反運転者等 | 同条2項 |
| 別表第四・第五の行為がある | 違反運転者等 | 同条2項 |
※ いずれも、更新日等までに継続して免許を受けている期間が5年以上の人の場合。5年未満の人は、違反の有無にかかわらず違反運転者等です(95条の6第1項の表の備考一ニ)。
軽微違反行為1回で交通事故を起こした場合に一般運転者にとどまるのは、その事故が建造物以外の物の損壊だけによるもので、かつ、道路交通法72条1項前段(負傷者の救護や道路における危険の防止などの措置)に違反していないときに限られます(施行令33条の7第2項)。
区分で変わる有効期間と更新時講習
区分によって、更新後の免許証の有効期間と、更新のときに受ける講習が変わります。
有効期間(95条の6第1項の表)
| 区分 | 更新日等の年齢 | 有効期間の末日 |
|---|---|---|
| 優良運転者・一般運転者 | 70歳未満 | 満了日等の後の5回目の誕生日から起算して1か月を経過する日 |
| 優良運転者・一般運転者 | 70歳 | 満了日等の後の4回目の誕生日から起算して1か月を経過する日 |
| 優良運転者・一般運転者 | 71歳以上 | 満了日等の後の3回目の誕生日から起算して1か月を経過する日 |
| 違反運転者等 | 年齢を問わない | 満了日等の後の3回目の誕生日から起算して1か月を経過する日 |
優良運転者と一般運転者の有効期間は同じで、違いが出るのは違反運転者等になった場合です。更新日等の年齢によって有効期間が4年・3年になる優良運転者も、免許証は優良運転者用(有効期間欄が金色)の区分です(丁運発第139号 記1⑴ア)。
更新時講習(108条の2第1項11号・施行規則38条11項)
| 区分 | 講習時間 | 講習手数料の標準額 |
|---|---|---|
| 優良運転者 | 30分 | 500円(オンライン講習は200円) |
| 一般運転者 | 1時間 | 800円(オンライン講習は200円) |
| 違反運転者等(施行令33条の7第2項の基準に該当する人など) | 2時間 | 1,400円 |
| それ以外の違反運転者等 | 2時間 | 800円(オンライン講習は200円) |
※ 講習手数料の標準額は施行令43条1項の表の「物件費及び施設費に対応する額」と「人件費に対応する額」の合計です。実際の額は都道府県の条例で決まるので(道路交通法112条1項)、住所地の都道府県警察の案内で確認してください。手数料の区分の細かな範囲は国家公安委員会規則で定められています。
施行規則38条11項1号のただし書は、継続して免許を受けた期間が5年未満で違反運転者等になる人のうち国家公安委員会規則で定める人は、申出により一般運転者と同じ1時間の講習を受けると定めています。
警察庁の運転免許統計(令和7年版)によると、令和7年中に更新時講習を受けた14,670,556人のうち、優良運転者講習の受講者は9,770,499人(66.6%)でした。一般運転者講習は2,371,865人、違反運転者講習は1,436,762人、初回更新者講習は1,091,430人です(一般・優良はオンライン講習の受講者を含む)。
よくある誤解
「5年間」は更新の日から数えた5年間ではありません。 条文の基準は、基準日(特定誕生日の40日前の日)より前の5年間に違反行為や別表第四・第五の行為をしていないことです(施行令33条の7第1項)。基準日より後の違反は、その回の区分の判定に入りません。また、基準は「違反行為」の有無と回数で書かれていて、交通事故が出てくるのは、軽微違反行為1回の人を一般運転者にとどめるかどうかを決める括弧書き(同条2項)だけです。
「違反をした時点で免許証がゴールドでなくなる」わけではありません。 区分は「更新日等」を基準に定められていて(95条の6第1項の表の備考一)、違反が区分に反映されるのは、その違反が基準日前の5年間に入る更新のときです。
「違反1回なら必ず3年の免許証になる」わけではありません。 5年間の違反が3点以下の違反1回だけなら一般運転者で、70歳未満なら有効期間は優良運転者と同じく5回目の誕生日から1か月を経過する日までです。ただし、免許証に優良運転者である旨は記載されず、更新時講習は1時間になります。
「免許を受けて5年たてば、違反が無ければゴールド」とは限りません。 必要なのは「継続して」免許を受けている期間が5年以上であることです。更新をしないで免許が失効すると、継続は途切れます。ただし、海外旅行・災害など政令で定めるやむを得ない理由で更新できなかった人(特別失効者)が一定の期間内に次の免許を受けた場合は、失効した免許と次の免許を受けていた期間を継続していたものとみなします(95条の6第1項の表の備考四)。
優良運転者に関係する手続き
- 更新の案内: 公安委員会は、更新期間などを書いた書面を送ります。更新を受ける日に優良運転者か一般運転者に当たることになる人には、その旨も書かれます(101条3項)。
- 住所地以外での更新: 優良運転者と一般運転者で、上の書面でその旨の通知を受けた人は、住所地以外の公安委員会を経由して更新を申請できます(101条の2の2第1項)。申請は、有効期間が満了する日の直前の誕生日までに行わなければなりません(同条2項)。
- 違反点数との関係: 区分の基準は、免許停止・取消しの基準のような累積点数ではなく、基準日前の5年間にした違反行為の有無・回数と、1回ごとの点数(3点以下かどうか)で書かれています(施行令33条の7・37条の8第1項)。免許停止や前歴の仕組みは違反点数の仕組みと前歴とはで解説しています。
違反が1回でも、次の更新で優良運転者ではなくなります。日ごろから交通ルールを守り、時間と気持ちに余裕を持った安全運転を心がけてください。
見かけた取り締まりを共有して、みんなの注意喚起に。
よくある質問
法令上の「優良運転者」に当たることです。更新を受ける日までに継続して免許(仮免許を除く)を受けている期間が5年以上あり、かつ、基準日より前の5年間に違反行為や施行令別表第四・第五に掲げる行為をしたことがない人が該当します(道路交通法95条の6第1項の表の備考一ロ・施行令33条の7第1項)。基準日は、通常の更新では、更新前の免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日の40日前の日です。
基準日前の5年間に違反行為をしていれば優良運転者には当たりません(施行令33条の7第1項)。その違反が点数3点以下の違反(軽微違反行為)1回だけなら一般運転者に、それを超えると違反運転者等に区分されます(同条2項)。ただし、軽微違反行為1回でも、それによって人の死傷や建造物の損壊を伴う交通事故を起こした場合や、事故のときの救護などの措置の義務(道路交通法72条1項前段)に違反した場合は、違反運転者等になります。
70歳未満なら有効期間はどちらも5回目の誕生日から1か月を経過する日までで同じです(道路交通法95条の6第1項の表)。違うのは、免許証に優良運転者である旨が記載されること(93条1項5号)と、更新時講習の時間(優良運転者30分・一般運転者1時間=施行規則38条11項)、講習手数料の標準額(施行令43条1項)です。
優良運転者になるには、更新を受ける日までに継続して免許を受けている期間が5年以上必要です(道路交通法95条の6第1項の表の備考一ロ)。この期間が5年未満の人は、違反の有無にかかわらず違反運転者等に区分されます(同ニ)。
法律が免許証への記載を求めているのは、優良運転者である旨です(道路交通法93条1項5号)。金色は警察庁の通達「運転免許証の色分け等による区分について」(令和7年3月18日 丁運発第139号)が決めていて、優良運転者用の免許証は有効期間欄を金色(ゴールド)にし、免許の条件等欄の一部に「優良」と黒色文字で表示するとしています。
更新を受ける日に優良運転者か一般運転者に当たり、更新の案内の書面でその旨の通知を受けた人です(道路交通法101条の2の2第1項)。申請は、有効期間が満了する日の直前の誕生日までに行わなければなりません(同条2項)。
走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。
都道府県別の取り締まりデータ
道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。
47都道府県のランキングを見る本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。