運転免許証の帯の色と、12桁の番号。どちらも毎日持ち歩くものに書かれていながら、どこで決まっているのかはあまり知られていません。色分けと番号の形式は、道路交通法の条文ではなく警察庁の通達が定めています。通達と条文の原文から、色と番号がそれぞれ何を表すかを確認します。
免許証の色は3区分(金・黄緑・薄青)
警察庁の通達「運転免許証の色分け等による区分について」(令和7年3月18日 丁運発第139号・2025年3月24日から運用)は、免許証の有効期間欄の色を次の3種類に分けています。
| 区分 | 有効期間欄の色 | ほかの表示 |
|---|---|---|
| 優良運転者用 | 金色(ゴールド) | 免許の条件等欄の一部に「優良」と黒色文字で表示 |
| 新規免許取得者用 | 黄緑色(若草色) | — |
| その他の運転者 | 薄青色 | — |
ポイント:「ゴールド」「グリーン」「ブルー」と呼ばれる色は、免許証の有効期間欄の色です。色を決めているのは警察庁の通達で、道路交通法と施行規則の条文には色の定めがありません。
通達は、色分けの趣旨を次のように説明しています。
- 優良運転者用(金色): 法に定める優良運転者は模範的な運転者として奨励すべきものなので、本人の自覚を促し、ほかの運転者が優良運転者を目標に安全運転に努めるよう、免許証で一見して優良運転者と分かるようにする。優良運転者には、更新日等の年齢に応じて有効期間が3年又は4年の人も含まれる。
- 新規免許取得者用(黄緑色): 初めて交通社会に参加する人や、免許の効力を失った後に改めて免許を取得した人に安全運転を励行させるため、一見して新規免許取得者と分かるようにする。
条文が定めているのは「優良運転者である旨」の記載
道路交通法93条1項は、免許証に記載する事項を次のように定めています。
- 免許証の番号
- 免許の年月日、免許証の交付年月日、有効期間の末日
- 免許の種類
- 本籍、住所、氏名、生年月日
- 優良運転者(95条の6第1項の表の備考一ロ)である場合は、その旨
免許証の様式は施行規則19条2項の別記様式第十四で、縦5.40cm・横8.56cmの図と、表側を白色のプラスチック板、裏側を薄茶色のプラスチック膜とすることなどが定められています。様式の備考は、表側の余白に優良運転者である旨を記載するとしていますが、有効期間欄の色には触れていません。色分けは、この様式の上に通達が重ねている運用です。
優良運転者に当たるかどうかの基準(継続して免許を受けている期間が5年以上で、違反の状況が政令の基準に適合すること)は、ゴールド免許の記事で扱っています。
よくある誤解
「免許の種類を追加で取ったら黄緑色の免許証になる」わけではありません。 通達は、すでに免許を持っている人が新たに他の種類の免許を取得する場合を「新規免許取得者」に含めないとしています。普通免許を持っている人が二輪免許などを追加で取得しても、黄緑色(新規免許取得者用)の区分には当たりません。
更新で黄緑色が続くわけではありません。 黄緑色は新しく免許を取得した人の区分で、更新を受ける人は新しく免許を取得するわけではないので、更新後の免許証は金色か薄青色の区分になります。優良運転者は「継続して免許を受けている期間が5年以上」が条件の1つなので(95条の6第1項の表の備考一ロ)、免許を取ってから5年未満で迎える更新では優良運転者に当たらず、薄青色の区分になります。継続期間が5年未満の人は、同じ表の備考一ニで「違反運転者等」に分類されます。
更新を忘れて失効した人が、失効から6か月以内に取り直したときは黄緑色になりません。 通達は、道路交通法97条の2第1項3号(失効から6か月以内の特定失効者。やむを得ない理由があるときは延長あり)又は5号(一定の病気等による取消しから3年以内の特定取消処分者)による運転免許試験の一部免除で免許を取得する人を、新規免許取得者に含めないとしています。失効から6か月を超えて1年以内に仮免許の試験の免除(同項4号)を受けて取り直す人は、この除外に挙げられていません。失効後の取り直しの手続きはうっかり失効の記事で扱っています。
免許証番号の末尾は「再交付した回数」そのものではありません。 末尾の再交付記号を繰り上げるのは、亡失又は滅失を理由とする再交付のときです(丁運発第76号 記2⑵ア(ア))。汚れ・破損や写真の変更による再交付は、繰り上げの理由に挙げられていません。
免許証番号12桁の内訳
警察庁の通達「運転免許証の番号等の形式及び内容について」(令和7年3月10日 丁運発第76号・2025年3月24日から運用)は、新しく免許を受ける人に交付する免許証(新規免許証)の番号を12桁の数字とし、内訳を次のように定めています。
| 桁 | 名前 | 内容 |
|---|---|---|
| 1〜2桁目 | 公安委員会コード | 免許証を交付した公安委員会を表す2桁の数字 |
| 3〜4桁目 | 年別記号 | 交付した年の西暦の下2桁 |
| 5〜10桁目 | 交付等番号 | 交付した年ごとの一連番号(6桁) |
| 11桁目 | チェックデジット | 1〜10桁目から「モジュラス11」の計算方式で出す1桁の数字 |
| 12桁目 | 再交付記号 | 新規免許証では「0」 |
公安委員会コードは、別の通達(令和7年3月10日 丁運発第112号ほか)の別添にあるコード表によるとされています。本記事ではこのコード表を確認していないので、どの数字がどの都道府県かは書いていません。
更新しても番号は変わらない
更新や他の種類の免許の追加(併記)などで新しい免許証を交付するときは、その人が直近に持っていた新規免許証と同じ番号にします(丁運発第76号 記2⑴)。このため、3〜4桁目の年別記号は、更新した年ではなく、最初の免許証(新規免許証)が交付された年を表します。
新規免許証は、免許を現に受けていない人に交付する免許証です。ただし、97条の2第1項3号・5号による試験の一部免除を受ける特定失効者・特定取消処分者に交付する免許証は除かれます(同 記1)。
末尾の再交付記号
免許証の再交付では、上11桁を直近の免許証と同じにし、12桁目だけを次のように扱います(丁運発第76号 記2⑵ア(ア))。
- 亡失又は滅失を理由とする再交付のときに繰り上げる。1回目の再交付で「1」、以後、回数に応じて1ずつ加える。
- 記号が「10」になる場合(再交付が10回の場合など)は「1」に戻し、そこから再び1ずつ加える。
マイナンバーカードに免許の情報を記録する場合(マイナ免許証)は、免許証の番号とは別に「免許情報記録の番号」が付き、同じ12桁の形式です。その末尾は再記録記号で、マイナンバーカードへの再記録のたびに理由を問わず繰り上げます(同 記1・記2⑵ア(イ))。マイナ免許証についてはマイナ免許証の記事で扱っています。
なお、この通達は、昭和56年9月10日付けの旧通達(丁運発第105号)をマイナ免許証の番号を定めるために改めたものです。2025年3月23日以前に新規免許証が交付された人の番号は旧通達に基づいて付けられたもので、本記事では旧通達の本文を確認していません。
関係する手続き
- 免許証をなくしたとき: 住所地の公安委員会に再交付を申請します。申請できる場合や手数料は免許証の再交付の記事で扱っています。
- 更新の手続き: 更新期間や手数料は免許更新の記事で扱っています。
- ゴールド免許の条件: 優良運転者の基準と更新時講習はゴールド免許の記事で扱っています。
免許証の色は、運転者に安全運転を促すために分けられています。金色の免許証を目標に、日ごろから安全運転を心がけてください。
見かけた取り締まりを共有して、みんなの注意喚起に。
よくある質問
道路交通法や施行規則の条文ではなく、警察庁の通達「運転免許証の色分け等による区分について」(令和7年3月18日 丁運発第139号)で決まっています。免許証の有効期間欄の色を、優良運転者用は金色(ゴールド)、新規免許取得者用は黄緑色(若草色)、その他の運転者は薄青色とする3区分です。
通達は、すでに免許を持っている人が新たに他の種類の免許を取得する場合を「新規免許取得者」に含めないとしています。追加の取得は、黄緑色(新規免許取得者用)の区分には当たりません。
変わりません。警察庁の通達(令和7年3月10日 丁運発第76号)は、更新や他の種類の免許の追加などで新しく交付する免許証の番号を、それまで持っていた免許証と同じ番号にすると定めています。
再交付記号です。最初の免許証では「0」で、免許証をなくした(亡失・滅失)ことによる再交付のたびに1つ繰り上がります。再交付が10回になるなど記号が「10」になる場合は「1」に戻します(丁運発第76号 記2⑵ア(ア))。
免許証を交付した公安委員会(都道府県。北海道は方面ごと)を表す2桁のコードです。どの数字がどの公安委員会かを定めたコード表は、別の通達の別添にあり、本記事では確認していません。
走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。
都道府県別の取り締まりデータ
道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。
47都道府県のランキングを見る本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。