交差点安全進行義務違反違反の種類

交差点安全進行義務違反とは?交差点で問われる義務と反則金・違反点数

標識も停止線もないのに問われる違反があります。交差点安全進行義務違反は、信号にも一時停止にも当てはまらない「安全とは言えない進み方」を捉える決まりです。交差点で問われる義務の段階から整理します。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.07.165分で読めます
信号機も標識もない見通しの悪い交差点に進入しようとする車と、マスコットのトラくんを描いたイラスト

交差点安全進行義務違反は、標識も停止線もないのに問われる違反です。「止まれ」があるわけでも、信号が赤なわけでもない。それでも安全とは言えない進み方をしたときに、この違反が問われます。名前だけ見てもいちばん分かりにくい違反なので、ここでは交差点で問われる義務を段階で並べ、そのなかでの位置づけから整理します。

交差点安全進行義務違反とは

道路交通法第36条第4項が根拠です。交差点に入ろうとするとき、また交差点内を通行するときは、その交差点の状況に応じ、交差する道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等、そして交差点やその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない、という義務です。条文が求めているのは「注意して安全に進行すること」であって、特定の車の進行を妨げないことではありません。妨げてはならないと定めているのは同じ第36条でも第1項・第2項のほうで、そちらは反則行為名も別です。

この義務には、目印になるものがありません。「止まれ」の標識も、停止線も、信号もない。だからこそ「では何をすればいいのか」が分かりにくい違反になっています。

ポイント:安全進行義務は、信号にも一時停止にも優先道路にも当てはまらないけれど安全とは言えない、そんな進み方を捉えるための「受け皿」にあたる決まりです。

反則金・違反点数の目安

交差点安全進行義務違反に対する反則金・違反点数の目安は次のとおりです。

車種反則金違反点数
大型車12,000円2点
普通車9,000円2点
二輪車7,000円2点
原付6,000円2点

※ 金額・点数は一例です。反則金は交通反則通告制度に基づくもので、違反の態様や最新の法令により異なります。この違反には刑事罰として3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金も定められています。「拘禁刑」は2025年6月に懲役・禁錮を一本化した刑です。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

ほかの違反の反則金や点数は、交通違反の反則金一覧交通違反の点数一覧にまとめています。

交差点で問われる義務の段階

交差点では、状況に応じて別々の決まりが順に問われます。安全進行義務は、そのいちばん外側にあります。

交差点で問われる義務を信号・一時停止・優先道路・徐行の4段階で並べ、そのどれにも当てはまらない場合の受け皿として安全進行義務を示した図
図:交差点で問われる義務の段階

まず信号機があれば、信号に従います。信号機がなくても「止まれ」の標識や標示があれば、停止線の直前で一時停止します。どちらもなければ、交差する道路が優先道路かどうか、道幅が広いかどうかによって、進行を妨げてはならない・徐行しなければならない、という決まりがかかります。そして、そのどれにも当てはまらない場合でも、交差点を安全に通行する義務は残ります。これが安全進行義務です。

第36条は、項ごとに義務の内容が分かれています。第1項は信号機のない交差点での左方優先など、第2項は交差する道路が優先道路であるときや、交差する道路の幅員が明らかに広いときに、その道路を通行する車の進行を妨げてはならないこと、第3項はその場合の徐行義務、そして第4項が安全進行義務にあたります。反則行為名も、第1項は交差点優先車妨害、第2項・第3項は優先道路通行車妨害等、第4項が交差点安全進行義務違反と分かれています。第1項の違反は罰則の重さも異なり、拘禁刑の定めがなく罰金のみとされています。同じ第36条でも、項によって扱いが違うということです。

出会い頭・右直事故との関係

令和6年中の死亡事故2,598件のうち、交差点および交差点付近で起きたものは1,182件で、45.5%を占めています(死亡事故を対象とした統計です。内訳は交差点内が876件・33.7%、交差点付近が306件・11.8%)。

事故の型で見ると、出会い頭の死亡事故は260件(10.0%)で、そのうち234件と約9割が交差点および交差点付近で起きています。交差点内に限ると、信号機のない交差点が150件、信号機のある交差点が75件で、信号機のない交差点が2倍になっています。

一方、右折時の死亡事故は150件(5.8%)で、うち131件が交差点内、さらにそのうち112件は信号機のある交差点で起きています。いわゆる右直事故(右折車と直進車の衝突)は、信号がある交差点でこそ起きているということです。

「信号があるから安全」でも「信号がないから危険」でもありません。どちらの交差点にも、それぞれの危険があります。

「受け皿」があるのはなぜか

信号や標識は、危険が予測できる場所にあらかじめ置かれるものです。しかし交差点の危険は、その場の交通量・見通し・相手の動きによって変わります。標識のとおりに進んでも、状況によっては安全とは言えないことがあります。

安全進行義務は、その差を埋めるための決まりだと考えられます。「何km/h以下」といった数値の基準がないのは、決まりが曖昧だからではなく、安全な速度と方法が状況によって変わるためです。見通しがきかない交差点では、標識がなくても速度を落とし、交差する道路を確認してから進むことが求められます。

交差点に入る前に、いったん速度を落として左右を見る。標識に言われなくてもそうする、という当たり前のことが、この決まりの中身です。

この付近で取り締まりを見た?

見かけた取り締まりを共有して、みんなの注意喚起に。

取り締まりを共有

よくある質問

一時不停止は「止まれ」の標識・標示がある場所、信号無視は信号機がある場所と、それぞれ従うべき対象がはっきりしています。交差点安全進行義務違反にはそうした目印がなく、ほかのどの決まりにも当てはまらないけれど安全とは言えない進み方をしたときに問われる、いわば受け皿にあたります。

交差する道路の交通や、交差点を先に通行している車、右左折しようとしている車などに注意し、それらの進行を妨げないよう、できる限り安全な速度と方法で進行することが求められます。「何km/h以下」といった数値の基準はないため、見通しや交通量に応じて自分で速度を落とし、確認する必要があります。

信号機のない同じ幅の道路が交わる交差点で、左方から来る車の進行を妨げた場合は、交差点優先車妨害という別の違反として扱われるのが基本です。道路交通法第36条は項ごとに義務の内容が分かれていて、安全進行義務はそのうちの一つにあたります。

走行予定エリアを事前に確認し、交差点での出会い頭が起きやすい地点を「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりの回避を目的としたものではありません。

本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。