徐行場所違反違反の種類

徐行違反とは?何キロまで?徐行すべき場所と反則金・違反点数

「徐行は時速何キロまで?」と思っていませんか。道路交通法は徐行を速度の数値では定めていません。徐行の意味と徐行すべき場所、反則金・点数の目安を、条文に沿って整理します。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.07.236分で読めます
見通しのきかない交差点に徐行で進入する車と、マスコットのトラくんを添えたイラスト

徐行違反は、徐行しなければならない場所で徐行を怠ったことに対する違反です。一般に「徐行違反」と呼ばれますが、道路交通法施行令上の正式な反則行為名は「徐行場所違反」で、根拠は道路交通法第42条です。「徐行は時速何キロまでか」という問いには、条文そのものが数値で答えていません。ここでは徐行の意味と徐行すべき場所、反則金・点数の目安を条文に沿って整理します。

徐行違反とは

「徐行違反」は、正確には「徐行場所違反」といいます。道路交通法第42条が定める、徐行しなければならない場所で徐行しなかった場合の違反です。徐行を求める条文は第42条のほかにもいくつかありますが、反則行為名として「徐行場所違反」にあたるのは第42条に限られます。徐行義務一般の話と、反則行為としての徐行場所違反とは、範囲が異なる点に注意が必要です。

たとえば交差点で右折・左折するときにも徐行が求められますが(第34条)、これは反則行為名も「交差点右左折方法違反」と別で、罰則も第42条とは異なります。この記事で扱うのは、第42条の徐行場所違反です。

反則金・違反点数の目安

徐行違反(徐行場所違反)に対する反則金・違反点数の目安は次のとおりです。

車種反則金違反点数
大型車9,000円2点
普通車7,000円2点
二輪車6,000円2点
原付5,000円2点

※ 金額・点数は一例です。反則金は交通反則通告制度に基づくもので、違反の態様や最新の法令により異なります。この違反には刑事罰として3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金(過失の場合は10万円以下の罰金)も定められています。「拘禁刑」は2025年6月に懲役・禁錮を一本化した刑です。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

ほかの違反の反則金や点数は、交通違反の反則金一覧交通違反の点数一覧にまとめています。

「徐行」とは何キロか

もっとも知りたいのは「徐行とは時速何キロまでか」という点だと思います。しかし道路交通法は、徐行を速度の数値では定めていません。第2条第1項第20号は徐行を次のように定義しています。

徐行 車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。

「直ちに停止することができるような速度」という機能的な定義だけで、「時速10キロ以下」といった数値はどこにも書かれていません。一般に時速10キロ前後とする解説は多く見られますが、これは条文上の根拠がある数字ではありません。路面や視界、車両の状態によって「直ちに停止できる速度」は変わるため、数値ではなく「今すぐ止まれるかどうか」で考えるのが条文の趣旨です。読者が最も知りたい点でありながら、条文は数値で答えていない——このこと自体が徐行の理解の要になります。

ポイント:条文は徐行を「直ちに停止することができるような速度」と定めるだけで、具体的な数値を置いていません。「何キロまでなら徐行か」ではなく「今すぐ止まれるか」で考えるのが条文の趣旨です。

徐行すべき場所

第42条は、徐行しなければならない場所を次のように定めています。

車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。 一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。 二 道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂を通行するとき。

道路標識で指定された場所、左右の見通しがきかない交差点(交通整理・優先道路を除く)、道路のまがりかど付近・上り坂の頂上付近・勾配の急な下り坂という、道路交通法第42条が定める徐行すべき場所を並べた図
図:徐行しなければならない場所

整理すると、徐行すべき場所は次の3つです。

  1. 道路標識等で徐行が指定されている道路の部分 — 標識・標示により徐行が指定されている場所。
  2. 左右の見通しがきかない交差点 — 交差点に入ろうとするとき、又は交差点内で見通しのきかない部分を通行しようとするとき。ただし、その交差点で交通整理が行われている場合と、優先道路を通行している場合は除かれます。
  3. 道路のまがりかど付近・上り坂の頂上付近・勾配の急な下り坂 — 見通しや制動の条件が悪くなる場所。

このうち第2号の「道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂」は、追越しが禁止される場所を定めた第30条第1号とまったく同じ場所のリストです。同じ場所が、徐行の義務と追越しの禁止を同時に課していることになります。カーブや坂の頂上は、速度を落とすべき場所であり、かつ追い越してはならない場所でもある、と覚えておくと整理しやすくなります。

取り締まりは少ないが義務は重い

徐行場所違反は、取り締まりの件数がきわめて少ない違反です。警察庁の統計では、令和6年中の取締りは293件で、前年の352件から16.8%減少しました。同じ年の告知・送致件数の合計4,204,155件のなかでほぼ最下位にあたります。同じ道路交通法施行令 別表第六の同じ区分に属し、違反点数も法定刑も同じ通行禁止違反が551,589件であるのに対し、およそ1,882分の1にとどまります。反則金も点数も同じなのに、取り締まられる件数はこれほど違います。

ただし、取り締まりが少ないことは「守らなくてよい」という意味ではありません。徐行場所違反による死亡事故は、令和6年中に7件起きています(一般原付以上の運転者が第1当事者となった死亡事故2,325件を母数とする系統の数字)。前年の4件から増えています。件数そのものは多くありませんが、第42条第1号が想定する「左右の見通しがきかない交差点」は、出会い頭の事故と直結する場面です。速度を落として「直ちに停止できる」状態をつくれるかどうかが、事故を防げるかどうかの分かれ目になります。

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よくある質問

道路交通法は徐行を「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行すること」(第2条第1項第20号)と定めており、時速何キロといった数値では定めていません。一般に時速10キロ前後とする解説も見られますが、条文上の根拠はありません。速度の数値ではなく「すぐに止まれるかどうか」で考えるのが条文の趣旨です。

道路交通法第42条は、道路標識等で徐行が指定されている場所のほか、左右の見通しがきかない交差点に入ろうとするときや交差点内で見通しのきかない部分を通行するとき(その交差点で交通整理が行われている場合と、優先道路を通行している場合を除きます)、道路のまがりかど付近・上り坂の頂上付近・勾配の急な下り坂を通行するときに、徐行しなければならないとしています。

同じものを指します。一般に「徐行違反」と呼ばれますが、道路交通法施行令上の正式な反則行為名は「徐行場所違反」(第42条)です。なお、交差点で右左折するときの徐行(第34条)など、第42条以外にも徐行義務を課す条文はありますが、それらは反則行為名も罰則も別で、「徐行場所違反」にはあたりません。

走行予定エリアを事前に確認し、見通しの悪い交差点やカーブなどで「徐行」を意識づけるためにご活用ください。取り締まりの回避を目的としたものではありません。

本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。