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ペダル付き電動バイクは自転車ではない|ペダルだけでも免許が必要・令和7年の検挙2,570件

ペダルとモーターの両方を備えた車両は、見た目が自転車でも、電動アシスト自転車の基準に当たらなければ自転車ではありません。モーターを切ってペダルだけで走らせても、運転免許とヘルメットが要ります。条文、必要なもの、罰則、検挙の件数を、警察庁の資料と道路交通法で確認します。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.11.04約13分で読めます

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「ペダルだけで走っても」「運転免許が必要」の文字と、ペダルとスロットルを備えたペダル付き電動バイクを描いた、マスコットのトラくんを添えたイラスト

ペダルとモーターの両方を備えた車両が「電動アシスト自転車」と称して販売された事例が確認されています。しかし、警察庁は「ペダルと原動機を備える車両であっても、スロットルが備えられているものや、駆動補助機付自転車(いわゆる電動アシスト自転車)の基準に適合しないものは、『自転車』ではなく、『一般原動機付自転車』や『自動車』です」と説明しています。

ペダル付き電動バイクの検挙は令和6年に2,538件、令和7年に2,570件でした。ここでは、どの車両が当たるのか、何が必要なのか、違反するとどうなるのかを、一次資料で整理します。

ペダル付き電動バイクとは

ペダル付き電動バイクは法令上の車両区分の名前ではなく、警察庁の資料には「ペダル付き電動バイク(モペット)」という書き方もあります。パーソナルモビリティ安全利用官民協議会のガイドライン(令和6年11月・令和7年3月最終改訂)は、次のように定義しています。

定義:自動車又は一般原動機付自転車であって、電動機に加えてペダルを備え、ペダルを用いて人の力により走行させることができるもの。

警察庁のリーフレットは、ペダルとモーターを備える車両のうち、次の2つを挙げています。

スロットルが付いているもの

スロットルが備えられており、モーターのみで走行させることができるもの。

アシスト比率が基準を超えるもの

電動アシスト自転車の基準を超えるアシスト比率で、モーターが人の力を補うもの。

電動アシスト自転車の基準

道路交通法2条1項11号の2は、自転車に「人の力を補うため原動機を用いるものであつて内閣府令で定める基準に該当するもの」を含めています。この基準が道路交通法施行規則1条の3で、主な内容は次のとおりです。

走行速度人の力に対する補助の力の比率(上限)
10km/h未満2
10km/h以上24km/h未満速度が上がるほど小さくなる(2 −(速度 − 10)÷ 7)
24km/h以上補助の力が加わらないこと

※ 道路交通法施行規則1条の3第1号ロ・ハによる。牽引されるための装置を有するリヤカーを牽引する三輪又は四輪の自転車は、別の数値が定められています。このほか、原動機が電動機であること、基準に該当しないものに改造することが容易でない構造であること、補助の機能が円滑に働くことなども基準に含まれます。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

基準を満たさない車両は、道路交通法上の自転車に当たりません。二輪で定格出力が0.60kW以下の原動機を用いるものは、特定小型原動機付自転車に当たるものを除き一般原動機付自転車に当たり(同法2条1項10号イ・施行規則1条の2)、これを超えるものは自動車に当たります。

なお、運転免許が要らない特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)のルールは電動キックボードの違反と取締りで扱っています。上のガイドラインの定義は「自動車又は一般原動機付自転車」に限っていて、特定小型原動機付自転車を含みません。

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ペダルだけで走っても「運転」になる

モーターを使わずにペダルだけで走らせれば自転車と同じではないか、という疑問には、条文が答えています。2024年11月1日から、道路交通法2条1項17号の「運転」の定義は次の形になりました(太字の部分が令和6年法律第34号で加わりました)。

道路において、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)をその本来の用い方に従つて用いること(原動機に加えてペダルその他の人の力により走行させることができる装置を備えている自動車又は原動機付自転車にあつては当該装置を用いて走行させる場合を含み、特定自動運行を行う場合を除く。)をいう。

この改正について、ガイドラインは「明確化された」と書いています。警察庁は平成17年3月の文書「『ペダル付きの原動機付自転車』の取扱いについて」で、原動機を作動させずペダルと人の力だけで走行させる場合も原動機付自転車の「運転」に当たり、運転免許が必要で、乗車用ヘルメットの着用など原動機付自転車の運転方法に従う必要があると示していました。2024年11月1日の改正で、この扱いが法律の文言になりました。

したがって、次の交通ルールは、モーターを使っていても使っていなくても適用されます。

公道を走るために必要なこと

警察庁のリーフレットは、公道を走るために必要なことを4つ挙げています。

運転免許

一般原動機付自転車等を運転することのできる運転免許(道路交通法64条1項)。一般原動機付自転車は、原付免許のほか普通免許などでも運転できます(同法85条2項)。

保安基準に適合する装備

ブレーキランプ、ウインカー、バックミラー等の備付け。リーフレットはクラクション、ヘッドライト、ブレーキも挙げています。

ナンバープレート

取付け・表示。ガイドラインは、市町村(特別区を含む)の条例に基づく標識を取得して車体に表示することを挙げています。

自賠責保険(共済)

自動車損害賠償責任保険(共済)への加入(自動車損害賠償保障法5条)。

走り方のルールも、一般原動機付自転車又は自動車のものになります。リーフレットは次の点を挙げています。

  • 歩道は走れません。 歩道又は路側帯と車道の区別のある道路では、車道を通行します(道路交通法17条1項)。
  • 乗車用ヘルメットの着用が義務です。 一般原動機付自転車は法71条の4第2項、大型自動二輪車・普通自動二輪車は同条1項が定めています。
  • 車両用の信号と標識に従います。

このほか、一般原動機付自転車の一般道路での最高速度は30km/hです(道路交通法施行令11条)。

検挙と事故の件数

警察庁が2026年5月25日の協議会に示した資料(都道府県警察から警察庁に報告のあった件数)によれば、検挙件数の推移は次のとおりです。

年検挙件数うち無免許運転うち通行区分違反
令和4年96件——
令和5年345件——
令和6年2,538件526件343件
令和7年2,570件789件367件

※ 令和4年・5年の内訳は資料に記載がありません。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

令和7年の検挙総数は前年より32件の増加にとどまりますが、無免許運転は263件、通行区分違反は24件増えました。資料は、2024年11月の法改正の施行によりペダルだけで走行する場合も運転に当たることを明確化し、違反者に対する取締りを強化したと説明しています。

関連する人身事故(ペダル付き電動バイクが第1当事者又は第2当事者となったもの)は次のとおりです。

年関連事故の件数
令和4年27件
令和5年57件
令和6年68件
令和7年52件

※ 警察庁に報告のあった件数の集計。令和7年中に死亡事故が1件発生しています。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

令和7年中の52件は13都府県で発生し、東京都が16件(30.8%)、大阪府が15件(28.8%)で、この2都府で約6割を占めています。

ポイント:事故は令和6年より減りましたが、検挙のうち無免許運転は増えています。ガイドラインは、違反の多くが無免許運転や整備不良車両運転といった「およそ適法に運転し得ない状況」で行われる類型だと指摘しています。

違反したときの点数と罰則

一般原動機付自転車に当たる車両の場合、主な違反の扱いは次のとおりです。

違反点数罰則反則金(原付等)
無免許運転(法64条1項)25点3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(法117条の2の2第1項1号)対象外
無保険運行(自賠法5条)6点1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(自賠法86条の3第1号)対象外
通行区分違反(法17条1項)2点3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金(法119条1項6号)6,000円
整備不良(制動装置等)(法62条)2点3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金(法119条2項2号)6,000円
乗車用ヘルメット着用義務違反(法71条の4第2項)1点なしなし

※ 点数は道路交通法施行令 別表第二、反則金は同 別表第六の「原付等」の欄による。「整備不良(制動装置等)」はブレーキなどの装置に係る区分で、尾灯等の区分は別の点数です。「拘禁刑」は2025年6月に懲役・禁錮を一本化した刑です。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

表の反則金は、その車両を運転できる免許を受けている人の場合です。道路交通法125条2項1号は、反則行為に係る車両等について運転の免許を受けていない人を「反則者」から除いています(特定小型原動機付自転車等を除く)。免許を受けていない人がペダル付き電動バイクで信号無視や通行区分違反をしても、反則金を納めて終わる手続にはなりません。切符の違いは青切符・赤切符・白切符の違いで扱っています。

貸した人・同乗した人

無免許運転の禁止は運転する本人だけの話ではありません。

  • 車両の提供。 無免許で運転することとなるおそれがある人に、自動車又は一般原動機付自転車を提供してはなりません(法64条2項)。提供を受けた人が無免許運転をした場合、提供した人は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です(法117条の2の2第1項2号)。
  • 同乗の要求・依頼。 運転者が免許を受けていないことを知りながら、自分を運送するよう要求し、又は依頼して同乗することも禁じられています(法64条3項。業務に従事中の旅客自動車など政令で定める自動車を除く)。違反は2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象です(法117条の3の2第1号)。

販売する側への対策

第12次交通安全基本計画の関連記載を整理した警察庁の資料は、ペダル付き電動バイクについて、運転免許・ヘルメット・ナンバープレート・方向指示器等が必要なことの周知の徹底と、無免許運転、通行区分違反等の取締りの強化に加えて、電動アシスト自転車と称して販売する違法販売事業者対策の推進を挙げています。令和8年度の警察の計画での扱いは交通安全業務計画の記事に整理しています。

販売事業者が検挙された事例として、警察庁の資料には次のものがあります。

時期警察罪名内容
令和5年1月京都府警察不正競争防止法違反原動機付自転車を「電動アシスト自転車」と称してウェブサイトに広告表示して販売(法人と代表取締役に罰金の略式命令)
令和7年5月兵庫県警察不正競争防止法違反令和6年、ペダル付き電動バイクをSNS上に運転免許不要と偽って広告を出し販売
令和7年6月大阪府警察道路交通法違反(整備不良)ほう助購入者が公道を走ることを知りながら、保安基準を満たさないペダル付き電動バイクを大阪府内の店舗で販売

※ 時期は検挙の時期(京都府警察の事例は警察庁の広報資料の「本年1月」による)。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

ガイドラインは、関係事業者に次の対策を求めています。ガイドラインは法令ではなく、各事業者が準拠した自主ルールを定めて対策を講じるものと位置付けられています。

販売事業者

「一般原動機付自転車」といった車両区分と、運転免許を受けていることが確認できない者には販売しない旨の表示。販売時の運転免許の確認。保安基準に適合した車体の販売。ナンバープレートの取得方法や自賠責保険の加入義務の説明など。

プラットフォーム提供事業者

利用規約等で販売事業者に車両区分の表示、運転免許の確認、保安基準に適合しない車体を販売しないことを義務付け、違反が是正されない販売事業者にはサービスの利用停止措置等を講じること。

配送業務を委託する事業者

配達員の会員登録時等に、ペダル付き電動バイク等を「自転車」として登録させないための確認。車両区分を偽った配達員には是正を求め、是正されなければ会員資格の停止等の措置を講じること。

買う前と、持っている場合の確認

警察庁のリーフレットは、型式認定を受けてTSマークが付いている駆動補助機付自転車には自転車の交通ルールが適用されるとして、電動アシスト自転車を購入するときはTSマークが付いているものを選ぶよう呼びかけています。「電動アシスト自転車」という商品名の表示だけでは、基準に適合するかどうかは分かりません。

警察庁は令和5年4月19日の広報資料で、基準を満たさないことが確認された製品について、保安基準にも適合しないため道路を通行させることはできないとして、使用を控えるよう呼びかけています。購入先と連絡が取れないなど困ったときの相談先として、消費者ホットライン188を案内しています。

検挙件数と事故件数は令和7年までの集計で、警察庁が2026年5月25日の協議会に示した資料によります。引用の際は最新の公表値をご確認ください。

見た目が自転車でも、ペダル付き電動バイクは免許と装備が無ければ公道を走れない車両です。乗る前に車両の区分を確かめ、一般原動機付自転車又は自動車としての交通ルールを守って、安全運転を心がけましょう。

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よくある質問

扱われません。道路交通法2条1項17号は、原動機に加えてペダルその他の人の力により走行させることができる装置を備えている自動車又は原動機付自転車について、その装置を用いて走行させる場合も「運転」に含むと定めています。モーターを使わないときも、運転免許やヘルメットなど一般原動機付自転車又は自動車としての交通ルールが適用されます。

車両の区分によります。二輪で定格出力が0.60kW以下の原動機を用いるものは、特定小型原動機付自転車に当たるものを除き一般原動機付自転車に当たり(道路交通法2条1項10号イ・施行規則1条の2)、原付免許のほか、普通免許などでも運転できます(道路交通法85条2項)。これを超えるものは自動車に当たるので、その区分に応じた免許が必要です。

電動アシスト自転車は、人の力を補うために電動機を用いる自転車で、補助の力の比率が速度に応じて定められ、24km/h以上では補助の力が加わらないなどの基準を満たすものです(道路交通法施行規則1条の3)。スロットルでモーターだけで走行できるものや、アシスト比率の基準を超えるものはこれに当たりません。警察庁のリーフレットは、型式認定を受けたTSマーク付きのものを選ぶよう呼びかけています。

走れません。歩道又は路側帯と車道の区別のある道路では、車両は車道を通行しなければなりません(道路交通法17条1項)。歩道等を横断する場合など同項ただし書の例外を除き、ペダルだけで走らせている場合も同じです。

済みません。無免許運転は反則行為ではなく、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です(道路交通法117条の2の2第1項1号)。また、その車両の運転免許を受けていない人は「反則者」から除かれる(同法125条2項1号)ので、同時に信号無視などをしていても、反則金で終わる手続の対象にはなりません。

AREA DATA

都道府県別の取り締まりデータ

道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。

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本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。