「青切符で済んだ」「赤切符を切られた」という言い方はよく使われますが、道路交通法にこの言葉は出てきません。色の違いが表しているのは、その違反が反則金を納めて終わる手続きに乗るのかどうかです。ここでは分かれ目がどこにあるのかを条文で確認し、告知から納付までの流れまで整理します。
分かれ目は「反則者」かどうか
道路交通法125条1項は、反則行為を「別表第二の上欄に掲げるもので、車両等の運転者がしたもの」と定めています。速度超過や一時不停止など、日常的に問題になる違反の多くがここに入ります。
そのうえで同条2項が、反則行為をしても反則者にはならない人を4つ挙げています。
- 無免許運転など、その車両等を運転する免許を受けていない者(免許の効力が停止されている者を含む)
- 酒に酔った状態、麻薬等の影響による状態、または一定以上のアルコールを保有する状態で運転していた者
- その反則行為をして、交通事故を起こした者
- 16歳未満の者
反則者から外れると、反則金を納めて終わりにする交通反則通告制度の対象になりません。刑事事件として手続きが進み、罰金などの刑事罰の対象になります。一般に前者が青切符、後者が赤切符と呼ばれているのは、この区別です。
ポイント:色を決めているのは違反の重さだけではありません。同じ違反でも、事故になったかどうかで扱いが変わります。
3つの通称の違い
| 通称 | 一般に指すもの | 反則金 | その後 |
|---|---|---|---|
| 青切符 | 反則者として告知を受けた場合 | あり | 納付すれば公訴を提起されない |
| 赤切符 | 反則者から除かれる場合 | なし | 刑事事件として手続きが進む |
| 白切符 | 反則行為とされていない違反 | なし | 違反点数だけが付く |
※ いずれも法令上の用語ではなく、書面の色に由来する通称。
白切符と呼ばれるものの例が座席ベルト装着義務違反です。道路交通法施行令 別表第二では1点とされていますが、反則金を定める同令 別表第六には掲げられていません。点数は付くけれど反則金は無い、という違反があるということです。
切符の色は法令用語ではない
道路交通法と道路交通法施行令の全文を確認しても、「青切符」「赤切符」「白切符」という語は一つも出てきません。法令が定めている書面は次の3つです。
- 告知書(施行令46条)— 警察官がその場で交付する書面。反則行為となるべき事実、反則行為の種別、反則金に相当する金額、仮納付の期限などを記載する
- 通告書(施行令47条)— 警察本部長が反則金の納付を通告する書面
- 通知書(施行令50条)— 反則者に当たらないと認めたときに、その旨を知らせる書面
色の呼び名は現場で定着した言い方であって、法的な意味を持つのは書面の種類と、その人が反則者に当たるかどうかです。呼び名にとらわれず、渡された書面に何が書かれているかを確認するのが確実です。
告知から納付までの流れ
反則行為として扱われる場合、手続きは次のように進みます。
- 告知(法126条1項)— 警察官が、反則行為となるべき事実の要旨と種別、通告を受けるための出頭の期日と場所を書面で告知します
- 仮納付(法129条1項)— 告知を受けた日の翌日から起算して7日以内であれば、反則金に相当する金額を仮に納付できます
- 通告(法127条1項)— 警察本部長が、理由を明示して反則金の納付を書面で通告します
- 納付(法128条1項)— 通告を受けた日の翌日から起算して10日以内に納付します
納付の効果を定めているのが法128条2項です。反則金を納付した者は、その通告の理由となった行為に係る事件について公訴を提起されず、家庭裁判所の審判にも付されません。逆に法130条は、通告を受けて納付期間が過ぎるまでは公訴を提起されないと定めています。納付しないまま期間が過ぎると、刑事手続に移る余地が生まれるということです。
違反そのものの点数は納付とは別に付きます。点数がどう積み上がるかは違反点数はいつ消える?で整理しています。
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よくある質問
どちらも通称で、法令上の区別は「反則者」に当たるかどうかです。道路交通法125条2項に当てはまらない人は反則者となり、反則金を納付すれば刑事手続に進みません(法128条2項)。反則者から除かれる場合は交通反則通告制度の対象外となり、刑事事件として手続が進みます。一般に前者が青切符、後者が赤切符と呼ばれています。
道路交通法125条2項3号は、反則行為をして交通事故を起こした者を反則者から除いています。無免許運転や免許停止中の運転、酒酔い・酒気帯びの状態での運転、16歳未満の者も同じく除かれます。これらに当たる場合は反則金を納めて終わりにする制度の対象になりません。
道路交通法128条2項は、反則金を納付した者はその通告の理由となった行為に係る事件について公訴を提起されず、家庭裁判所の審判にも付されないと定めています。刑事裁判にならないため、有罪判決を前提とする前科はつきません。反則金は行政上の手続で納める金銭であり、刑罰である罰金とは性質が異なります。
通告を受けた日の翌日から起算して10日以内です(道路交通法128条1項)。またその前段階として、告知を受けた日の翌日から起算して7日以内に反則金相当額を仮納付することができます(同法129条1項)。
法令用語ではありません。反則行為として定められておらず反則金の対象にならない違反で、違反点数だけが付く場合を指す通称として使われています。たとえば座席ベルト装着義務違反は道路交通法施行令 別表第二で1点とされていますが、反則金を定める同令 別表第六には掲げられていません。
走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。
本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。