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AT大型免許はいつから?2027年4月1日から導入・MT免許の試験もAT車中心に

これまでMT車だけだった大型免許・中型免許・準中型免許・大型第二種免許・中型第二種免許に、AT免許が導入されます。あわせてMT免許の技能試験も、クラッチ・ギア操作に関する項目以外はAT車で行う方式に変わります。警察庁の概要資料と通達で、対象と施行日を確認します。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.09.0311分で読めます
昼間の運転免許試験場のコースで、「AT」と表示された大型トラックと「MT」と表示された普通乗用車が並び、AT大型免許が2027年4月1日から導入されることを示した、マスコットのトラくんを添えたイラスト

これまで大型免許・中型免許・準中型免許・大型第二種免許・中型第二種免許は、MT車で試験を受けるしかない免許でした。ここにAT免許が導入されます。あわせて、MT免許を取るときの技能試験の方法も変わり、クラッチ・ギア操作に関する項目以外はAT車で行われるようになります。

根拠は2024年6月26日に公布された道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第60号)などで、警察庁が公表している概要資料と、各都道府県警察に宛てた通達「道路交通法施行規則等の改正に伴う運用上の留意事項について」(令和6年10月21日 丁運発第214号)で内容を確認できます。施行は免許の種類ごとに段階的に分かれているため、まず「いつから何が変わるのか」を整理します。

AT免許が導入されるのは5種類の免許と3種類の仮免許

AT免許が新たに導入されるのは、次の免許です。

区分AT免許が導入される免許
第一種免許大型免許、中型免許、準中型免許
第二種免許大型第二種免許、中型第二種免許
仮免許大型仮免許、中型仮免許、準中型仮免許

※ 警察庁「AT大型免許の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて(概要)」による。普通免許・普通第二種免許・普通仮免許にはもともとAT免許がある。

警察庁は導入の背景を、トラックやバスのAT車の普及が進んでいる状況や職業ドライバー不足等の近年の状況を踏まえたもの、と説明しています。根拠資料として、令和4年3月の「AT限定免許の在り方に関する調査研究」が同じページに置かれています。

ポイント:ここでいう「AT大型免許」は、運転できる大型自動車・中型自動車・準中型自動車・普通自動車のすべてがAT車に限られる大型免許です(通達 記2⑴エ)。大型車だけがAT限定になる、という意味ではありません。

対象になる車の区分そのものは変わりません。道路交通法第3条は自動車の区分を内閣府令で定めることとしており、道路交通法施行規則第2条の表が車両総重量などの基準を置いています。

自動車の種類車両総重量最大積載量乗車定員
大型自動車11,000kg以上6,500kg以上30人以上
中型自動車7,500kg以上11,000kg未満4,500kg以上6,500kg未満11人以上29人以下
準中型自動車3,500kg以上7,500kg未満2,000kg以上4,500kg未満
普通自動車上のいずれにも当たらないもの

※ 道路交通法施行規則第2条の表による。大型・中型は3つの基準のいずれかに当たれば足りる。大型特殊自動車・大型自動二輪車・普通自動二輪車・小型特殊自動車は別区分。

施行日は免許の種類ごとに分かれている

通達の「施行期日関係」は、施行日を次のように示しています。

施行日対象となる部分
2025年4月1日普通免許、普通第二種免許、普通仮免許に係る部分
2026年4月1日中型免許、準中型免許、中型第二種免許、中型仮免許、準中型仮免許に係る部分
2027年4月1日大型免許、大型仮免許(一部)に係る部分
2027年10月1日大型第二種免許、大型仮免許(一部)に係る部分

※ 令和6年10月21日 丁運発第214号 記8による。

警察庁の概要資料は、この段階施行を「AT車の試験車両の開発・導入等に必要な期間を考慮し、免許の種類に応じて段階的に施行」と説明しています。同じ資料には、2026年4月1日からの分には中型第二種免許の試験車両の見直しも含まれることが図示されています。

通達は都道府県警察に対し、自動車メーカーによる試験車両の供給見込み時期と都道府県警察における調達のタイミングを考慮して施行時期を定めたとしたうえで、計画的に予算を確保するなどして、施行後できる限り速やかに運転免許試験場でAT免許を受験できるようAT大型自動車等の試験車両を導入するよう求めています。

ポイント:施行日は制度上の期日です。通達がわざわざ予算確保と車両導入を求めているとおり、試験場にAT試験車両がそろう時期には差が出る可能性があります。受験を予定している都道府県警察の案内で確認してください。

MT免許の技能試験は「クラッチ操作だけMT普通車」になる

今回の改正でもう一つ大きいのが、MT免許を取るときの技能試験の方法です。通達は次のように整理しています。

  • 運転免許試験項目のうち、クラッチの操作に係るものについてのみ、MT車を用いて場内で行う。
  • MT免許について、基本的な運転技能はAT車を用いて技能試験を行う。

つまりMT大型免許を試験場で受ける場合、道路上の走行を含む大部分をAT大型車で行い、クラッチ・ギア操作に関する項目だけを場内でMT普通車を使って行う、という形になります。概要資料は、MT中型免許・MT準中型免許・MT大型第二種免許・MT中型第二種免許の技能試験でも同じくMT普通車を使用すると図示しています。

指定自動車教習所で教習を受ける場合も同じ考え方で、道路上での教習・検定はすべてAT車を使用し、クラッチ・ギア操作に係る項目はコース内でMT普通車を使用する形になります。

AT車の項目に落ちると、MT車の項目には進まない

通達は、AT車を使用して行う項目をMT車を使用して行う項目の前に行うものとし、AT車の項目で合格基準に達する成績を得ることができなかった人に対しては、MT車を使用して行う項目を行うことを要しないとしています。順番が決まっていて、前半で不合格ならそこで終わる、ということです。

AT車の項目だけ受かった場合はAT免許になる

逆に、AT車を使用して行う項目では合格基準に達したものの、MT普通車を使用して行う項目では達しなかった場合はどうなるか。通達は、その場合は道路交通法第90条第1項および第91条の規定により、受験した免許の種類に応じたAT免許が与えられることになる、としています。技能試験に準じて行われる指定自動車教習所の卒業検定でも、同様の取扱いになります。

その後にMT免許を取りたい場合の道筋も、通達に書かれています。

免許を受ける前に受け直す

運転免許を受ける前であれば、改めて運転免許試験を受験することができます。ただし技能試験はAT車を使用して行う項目とMT普通車を使用して行う項目で構成されており、AT車の項目を免除する規定はないため、それぞれの項目を行うことになります。

AT免許の交付を受けた後

取得時講習を受講してAT免許の交付を受けた後は、MT普通車のみを使用する限定解除審査の例によることができるとされています。

卒業検定で落ちた場合

再検定を行うことが可能です。その前に道路交通法施行規則第34条第2項第3号の規定による1時限以上の教習を行うこととされ、再検定ではAT車の項目とMT車の項目をそれぞれ行います。

卒業証明書を受けた後

AT免許に係る卒業証明書を受けた人が、MT車に係る技能審査に合格したことを証する書面を添えて運転免許を申請した場合、公安委員会はAT条件を付さずMT免許を与えることができるとされています。

教習所は当分の間、従来の方法も選べる

改正後の方法にいきなり一本化されるわけではありません。通達の「経過措置関係」は、MT大型免許等に係る技能検査・技能試験・再試験について、当分の間、なお従前の例によることができるとしています。使用する車両や、指定自動車教習所での教習時間・教習方法の基準、技能検定の実施方法と合格基準についても同じです。

さらに通達は、経過措置の対象となる教習所では、教習生ごとに次の3つのいずれも行うことが認められるとしています。

  1. 従前の例による技能教習および技能検定
  2. 方法は改正後の府令によるものとし、MT普通車を用いて行う部分については従来のMT大型自動車等を用いて行うもの
  3. 方法・使用する自動車のいずれも改正後の規定に基づくもの

どれを採るかは、各指定自動車教習所における実施体制や教習生のニーズ等を踏まえて教習所が判断するもの、とされています。

ポイント:経過措置の対象になるのは、改正府令の施行前から指定を受けていた教習所です。通達は、施行後6か月を経過した日以降に新たに指定を受けた指定自動車教習所は、指定の基準が改正府令に基づくことになるため経過措置の対象にならないとしています。

中型第二種免許の試験車両はマイクロバスの規格に

2026年4月1日からの分には、中型第二種免許の試験車両の見直しも含まれています。通達は、中型第二種免許に係る教習における試験車両等の車格を、一般的に利用されているマイクロバスの規格に見直すとしています。

具体的には、乗車定員11人以上29人以下のバス型の中型自動車(AT車に限る)で、長さが6.50メートル以上、幅が2.00メートル以上、最遠軸距が3.80メートル以上のものです。あわせて曲線コース・方向変換コース・鋭角コースの基準も、マイクロバスの大きさに合わせて改められています。

この点にも経過措置があり、当分の間は改正前の府令に規定する試験車両を引き続き使用できます。新旧どちらの試験車両を使うかによってコースの基準も変わるため、通達は、新しい試験車両を用いる場合でもコースの改修はペイントの追加やロード・コンの設置といった簡易な改修で差し支えないとしています。

牽引免許は変わらない

今回の改正では、牽引免許と牽引第二種免許の規定は改正されていません。通達はその理由を、これらの免許の技能試験で使用する自動車は道路交通法施行規則第24条第6項で「専ら牽引のために使用される中型自動車」と規定されており、現行規定上もAT車・MT車のいずれを使用しても差し支えないと解されているためだ、と説明しています。

「軽車360は除く」の条件は廃止された

古い免許にだけ付いていた条件についての改正もあります。通達によれば、旧法に基づく排気量360cc以下の軽自動車に限りMT車を運転することができるAT免許の条件——免許証に「中型車(8t)、準中型車と普通車はAT車に限る(軽車360は除く)」と記載されるもの——は、今回の制度改正の趣旨に鑑みて、その条件が付されていないものとみなすこととし、条件そのものが廃止されました。

AT限定の条件に反して運転すると免許条件違反になる

AT限定の免許でMT車を運転した場合は、無免許運転ではなく免許条件違反として扱われます。道路交通法第91条は、公安委員会が運転の技能に応じて運転できる自動車等の種類を限定できると定めており、この条件に違反して運転する行為が免許条件違反です(道路交通法施行令 別表第二 備考六三)。

車種反則金違反点数
大型車9,000円2点
普通車7,000円2点
二輪車6,000円2点
原付等5,000円2点

※ 道路交通法施行令 別表第六(反則金)および別表第二(違反点数)による。この違反には道路交通法第119条第1項第20号に3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金も定められています。「拘禁刑」は2025年6月に懲役・禁錮を一本化した刑です。詳細は必ず公式情報をご確認ください。

ほかの違反の反則金や点数は、交通違反の反則金一覧交通違反の点数一覧にまとめています。

AT免許の種類が増えるということは、免許証に付く条件の種類も増えるということです。仕事で複数の車格の車を運転する場合は、自分の免許にどの条件が付いているかを免許証で確かめておきたいところです。

いま持っている免許への影響

今回の改正は、免許の種類の新設と、技能試験・技能教習・技能検定の方法を定める規定の改正です。既に受けている免許の条件について改正府令が触れているのは、上に挙げた「軽車360は除く」条件の廃止だけで、それ以外に条件を変更する定めは通達に記載されていません。

なお、免許の区分そのものの変更ではないため、運転できる車の範囲が今回の改正で広がったり狭まったりするわけではありません。変わるのは、これから免許を取る人の試験と教習の受け方です。

大型車や中型車は、車両の大きさゆえに内輪差も死角も大きく、巻き込み事故の当事者になりやすい車です。AT車になって運転操作の負担が減るとしても、車体の特性が変わるわけではありません。安全運転を心がけ、走行前には走行予定エリアの状況を確認するようにしてください。

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よくある質問

警察庁の説明では、大型免許に係る部分の施行期日は令和9年(2027年)4月1日、大型第二種免許に係る部分は令和9年10月1日です。中型免許・準中型免許・中型第二種免許(および中型仮免許・準中型仮免許)に係る部分は令和8年(2026年)4月1日、普通免許・普通第二種免許・普通仮免許に係る部分は令和7年(2025年)4月1日とされています。ただし施行期日は制度上の期日で、運転免許試験場にAT試験車両がそろう時期は都道府県によって差が出る可能性があります。

警察庁は、トラックやバスのAT車の普及が進んでいる状況や職業ドライバー不足等の近年の状況を踏まえたものと説明しています。根拠資料として令和4年3月の「AT限定免許の在り方に関する調査研究」が公表されています。

警察庁の通達によれば、その場合は道路交通法第90条第1項および第91条の規定により、受験した免許の種類に応じたAT免許が与えられます。MT免許を取りたい場合、免許を受ける前であれば改めて運転免許試験を受けることができますが、AT車の項目を免除する規定はないため両方の項目を受け直すことになります。取得時講習を受けてAT免許の交付を受けた後は、MT普通車のみを使用する限定解除審査の例によることができるとされています。

AT車を使用して行う項目が先です。警察庁の通達によれば、AT車を使用して行う項目で合格基準に達する成績を得ることができなかった人に対しては、MT車を使用して行う項目を行うことを要しないこととされています。

経過措置があります。警察庁の通達によれば、改正府令の施行前から指定を受けていた指定自動車教習所では、当分の間、従前の例による技能教習・技能検定を行うことができます。教習所は教習生ごとに、従前の方法、改正後の方法、その中間(方法は改正後で、MT普通車を用いる部分を従来のMT大型車等で行うもの)の3つを選んで実施できるとされています。なお、改正府令の施行後6か月を経過した日以降に新たに指定を受けた教習所は経過措置の対象になりません。

免許条件違反になります。道路交通法施行令の別表第二では違反点数2点、別表第六では反則金が大型車9,000円・普通車7,000円・二輪車6,000円・原付等5,000円と定められています。道路交通法第119条第1項第20号には3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金も定められています。無免許運転とは別の違反です。

今回の改正では牽引免許・牽引第二種免許の規定は改正されていません。警察庁の通達は、牽引免許の技能試験で使用する自動車は「専ら牽引のために使用される中型自動車」と定められており、現行規定上もAT車・MT車のいずれを使用しても差し支えないと解されているため、と説明しています。

走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。

本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。