左折しようとする車が、その内側(左後方)を走る自転車や二輪を巻き込んでしまうのが巻き込み事故です。原因は左後方の死角と内輪差で、防ぐ基本は左折の前にあらかじめ道路の左端に寄ることです。相手が自転車だと重大な結果につながりやすいのが特徴です。ここでは巻き込みがなぜ起きるのか、どの違反に問われて何点になるのか、そして防ぎ方を整理します。本記事は特定の実在事故ではなく、一般的な類型の解説です。
① どんな事故か
内閣府『令和8年版交通安全白書』によると、令和7年(2025年)中の交通事故で、右折・左折時の衝突をまとめた「右・左折時衝突」は全事故の13.1%を占め、事故類型のなかで3番目に多い区分です。ただし統計上は右折時と左折時が合算されており、巻き込み(左折時)だけの件数は公表区分にありません。同じ交差点の類型でも、右折時の右直事故とは原因も防ぎ方も異なります。
巻き込みで注意したいのは、相手が自転車のときの重大さです。自転車は令和7年の死者が306人、さらに重傷者では6,360人(23.1%)にのぼり、車体がむき出しのぶん、けがが重くなりやすいといえます。件数と死亡・重傷の関係は、事故類型の総論でも整理しています。
ポイント:「巻き込み事故は年間◯件」という数字は公表されていません。統計では右折・左折時をまとめた「右・左折時衝突」として扱われます。
② なぜ起きるか
巻き込みの主な原因は、左折時に生まれる左後方の死角と、内輪差です。左折で曲がるとき、後輪は前輪よりも内側(縁石側)を通ります。この内輪差のぶん、車体の内側を走っていた自転車や二輪が、車のすぐ横に入り込んでしまいます。
さらに、左折の直前に「先に抜いたはず」と思っていた自転車が、信号待ちなどで横に並び直していることもあります。左後方はミラーだけでは見えにくく、目視の確認を怠ると気づけません。
③ どの違反か・何点か
左折車の側は、左折の前にあらかじめ道路の左側端に寄り、左側端に沿って徐行する(道路交通法第34条第1項)という左折の方法を守らなかった場合の交差点右左折方法違反(1点)や、左後方の確認を怠った場合などの安全運転義務違反(第70条・2点)に問われることがあります。右左折のときの徐行は、見通しのきかない交差点などでの徐行場所違反(第42条)とは別の扱いです。そして、事故がけがや死亡につながると、この基礎点数に、事故の結果に応じた付加点数が加算されます。付加点数は、次のように事故の程度と責任の程度で決まります。
| 事故の程度 | 専ら本人の不注意による場合 | その他の場合 |
|---|---|---|
| 人の死亡に係る事故 | 20点 | 13点 |
| 治療期間3月以上または後遺障害あり | 13点 | 9点 |
| 治療期間30日以上3月未満 | 9点 | 6点 |
| 治療期間15日以上30日未満 | 6点 | 4点 |
| 治療期間15日未満または建造物損壊 | 3点 | 2点 |
※ 警視庁『交通事故の付加点数』による。
自転車を巻き込むとけがが重くなりやすく、基礎点数だけでは済まないことがあります。
④ 防ぎ方
巻き込みを防ぐ基本は、左折の前にあらかじめ道路の左端に車を寄せて、自転車が内側に入る余地をなくすことです。そのうえで、ミラーだけに頼らず左後方を目視で確認し、徐行して大回りをしないことが大切です。内輪差で車体の内側が寄ることを意識し、「横に自転車がいるかもしれない」と考えて曲がりましょう。
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よくある質問
巻き込みだけの件数は公表されていません。統計では右折・左折時の衝突をまとめた「右・左折時衝突」として扱われ、令和7年(2025年)で全事故の13.1%(3位)です(内閣府『令和8年版交通安全白書』)。巻き込みだけの内訳は公表区分にありません。
左折の方法を守らなかった場合の交差点右左折方法違反(1点)や、安全運転義務違反(2点)などの基礎点数に、事故の結果に応じた付加点数が加わります。付加点数は、けがの治療期間や死亡といった事故の程度と、責任の程度によって決まります(警視庁『交通事故の付加点数』)。
左折時は車体の左後方が死角になりやすく、内輪差で車体の内側が縁石側に寄るため、内側を走る自転車や二輪を巻き込みやすくなります。自転車は令和7年の死者が306人、重傷者では6,360人(23.1%)にのぼります(内閣府『令和8年版交通安全白書』)。
左折の前にあらかじめできる限り道路の左側端に寄り、左側端に沿って徐行することが基本です(道路交通法第34条第1項)。左に寄せておけば、自転車や二輪が内側に入り込む余地がなくなります。そのうえで、ミラーだけに頼らず左後方を目視で確認し、内輪差で車体の内側が縁石側に寄ることを意識して曲がります。
いいえ。特定の実在事故ではなく、巻き込み事故の一般的・教育的な類型解説です。注意喚起を目的とした一般情報です。
都道府県別の交通事故データ
交通事故の死者数(令和7年)は都道府県で差があります。全国では 2,547人。
47都道府県のランキングを見る本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。