事故から学ぶ事故から学ぶ

巻き込み事故の原因は左折時の死角と内輪差——自転車の危険と防ぎ方・違反点数

巻き込み事故は、左折する車が内側(左後方)の自転車や二輪を巻き込む事故です。原因は左後方の死角と内輪差で、防ぐ基本は左折の前にあらかじめ道路の左端に寄ること。相手が自転車だと重大化しやすい類型です。原因・防ぎ方・点数の目安を整理します。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.07.23更新:2026.10.09約4分で読めます

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左折しようとする車の内側(左後方)を自転車が走る危険な位置関係を俯瞰で、マスコットのトラくんを添えて描いたイラスト

左折しようとする車が、その内側(左後方)を走る自転車や二輪を巻き込んでしまうのが巻き込み事故です。原因は左後方の死角と内輪差で、防ぐ基本は左折の前にあらかじめ道路の左端に寄ることです。相手が自転車だと重大な結果につながりやすいのが特徴です。ここでは巻き込みがなぜ起きるのか、どの違反に問われて何点になるのか、そして防ぎ方を整理します。本記事は特定の実在事故ではなく、一般的な類型の解説です。

① どんな事故か

内閣府『令和8年版交通安全白書』によると、令和7年(2025年)中の交通事故で、右折・左折時の衝突をまとめた「右・左折時衝突」は全事故の13.1%を占め、事故類型のなかで3番目に多い区分です。ただし統計上は右折時と左折時が合算されており、巻き込み(左折時)だけの件数は公表区分にありません。同じ交差点の類型でも、右折時の右直事故とは原因も防ぎ方も異なります。

巻き込みで注意したいのは、相手が自転車のときの重大さです。自転車は令和7年の死者が306人、さらに重傷者では6,360人(23.1%)にのぼり、車体がむき出しのぶん、けがが重くなりやすいといえます。件数と死亡・重傷の関係は、事故類型の総論でも整理しています。

ポイント:「巻き込み事故は年間◯件」という数字は公表されていません。統計では右折・左折時をまとめた「右・左折時衝突」として扱われます。

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② なぜ起きるか

巻き込みの主な原因は、左折時に生まれる左後方の死角と、内輪差です。左折で曲がるとき、後輪は前輪よりも内側(縁石側)を通ります。この内輪差のぶん、車体の内側を走っていた自転車や二輪が、車のすぐ横に入り込んでしまいます。

さらに、左折の直前に「先に抜いたはず」と思っていた自転車が、信号待ちなどで横に並び直していることもあります。左後方はミラーだけでは見えにくく、目視の確認を怠ると気づけません。

左折時の内輪差で後輪が前輪より内側を通り、左後方の死角に自転車が入ることを示した俯瞰図
図版:左折時の死角と内輪差

③ どの違反か・何点か

左折車の側は、左折の前にあらかじめ道路の左側端に寄り、左側端に沿って徐行する(道路交通法第34条第1項)という左折の方法を守らなかった場合の交差点右左折方法違反(1点)や、左後方の確認を怠った場合などの安全運転義務違反(第70条・2点)に問われることがあります。右左折のときの徐行は、見通しのきかない交差点などでの徐行場所違反(第42条)とは別の扱いです。そして、事故がけがや死亡につながると、この基礎点数に、事故の結果に応じた付加点数が加算されます。付加点数は、次のように事故の程度と責任の程度で決まります。

事故の程度専ら本人の不注意による場合その他の場合
人の死亡に係る事故20点13点
治療期間3月以上または後遺障害あり13点9点
治療期間30日以上3月未満9点6点
治療期間15日以上30日未満6点4点
治療期間15日未満または建造物損壊3点2点

※ 警視庁『交通事故の付加点数』による。

自転車を巻き込むとけがが重くなりやすく、基礎点数だけでは済まないことがあります。

④ 防ぎ方

巻き込みを防ぐ基本は、左折の前にあらかじめ道路の左端に車を寄せて、自転車が内側に入る余地をなくすことです。そのうえで、ミラーだけに頼らず左後方を目視で確認し、徐行して大回りをしないことが大切です。内輪差で車体の内側が寄ることを意識し、「横に自転車がいるかもしれない」と考えて曲がりましょう。

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よくある質問

巻き込みだけの件数は公表されていません。統計では右折・左折時の衝突をまとめた「右・左折時衝突」として扱われ、令和7年(2025年)で全事故の13.1%(3位)です(内閣府『令和8年版交通安全白書』)。巻き込みだけの内訳は公表区分にありません。

左折の方法を守らなかった場合の交差点右左折方法違反(1点)や、安全運転義務違反(2点)などの基礎点数に、事故の結果に応じた付加点数が加わります。付加点数は、けがの治療期間や死亡といった事故の程度と、責任の程度によって決まります(警視庁『交通事故の付加点数』)。

左折時は車体の左後方が死角になりやすく、内輪差で車体の内側が縁石側に寄るため、内側を走る自転車や二輪を巻き込みやすくなります。自転車は令和7年の死者が306人、重傷者では6,360人(23.1%)にのぼります(内閣府『令和8年版交通安全白書』)。

左折の前にあらかじめできる限り道路の左側端に寄り、左側端に沿って徐行することが基本です(道路交通法第34条第1項)。左に寄せておけば、自転車や二輪が内側に入り込む余地がなくなります。そのうえで、ミラーだけに頼らず左後方を目視で確認し、内輪差で車体の内側が縁石側に寄ることを意識して曲がります。

いいえ。特定の実在事故ではなく、巻き込み事故の一般的・教育的な類型解説です。注意喚起を目的とした一般情報です。

AREA DATA

都道府県別の交通事故データ

交通事故の死者数(令和7年)は都道府県で差があります。全国では 2,547人。

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本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。