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取消処分者講習とは?免許を取り直す前に必要な13時間の講習と対象を条文で確認

取消処分者講習は、違反などを理由に免許を取り消された人が、運転免許試験を受け直す前に終えておかなければならない講習です。道路交通法と施行令・施行規則が定めているのは、誰が受けるか、いつまでに終えるか、講習の時間と内容です。

取り締まりマップ編集部安全運転支援チーム
公開:2026.10.08約7分で読めます

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「取り直す前に13時間の講習」「試験の前1年以内に終える」の文字と、運転シミュレーターの座席でハンドルを握る人物を描いた、マスコットのトラくんを添えたイラスト

違反の点数が取消しの基準に達したり、酒酔い運転などをしたりすると、免許を取り消されることがあり、取り消されると一定の期間は免許を受けられなくなります(免許取消しと欠格期間)。その期間が明けても免許は戻らず、運転免許試験を受け直すことになります。このとき、試験の前に終えておかなければならないのが取消処分者講習です。誰が対象になり、いつまでに終え、どんな講習なのかを、道路交通法と同法施行令・施行規則の原文で確認します。

取消処分者講習は免許を取り直す前に必要な講習

道路交通法108条の2第1項は、公安委員会が行う講習を16号にわたって並べています。その2号が「取消処分者等又は準取消処分者等に対する講習」です。同法108条の4第1項1号と施行規則38条2項は、この講習を「取消処分者講習」と呼んでいます。

講習を受ける必要が生じるのは、免許を取り直そうとするときです。道路交通法96条の3第1項は次のように定めています。

  • 試験の前1年以内に終えていなければならない。 取消処分者等が運転免許試験を受けようとするときは、過去1年以内に取消処分者講習を終了した者でなければなりません。
  • 処分より前に受けた講習は数えない。 終了した講習から「当該処分前に行われた講習」は除かれています。
  • 仮免許の試験は対象外。 ここでいう運転免許試験からは、仮免許の運転免許試験が除かれています。
  • 処分の後に一度免許を受けた人は不要。 処分を受けた後に免許(仮免許を除く)を受けたことがある人には、この定めは適用されません(同項ただし書)。

講習を受ける時期について、法令が定めているのは「受験しようとする時点から過去1年以内に終えていること」だけです。申込みの方法や実施日は、住所地の都道府県警察の案内で確認してください。

ポイント:違反などで免許を取り消された人が免許を取り直すには、運転免許試験の前1年以内に13時間の取消処分者講習を終えている必要があります。

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対象になる人・ならない人

96条の3第1項は、対象になる「取消処分者等」を、受けた処分で定めています。

処分根拠
免許の取消し(違反の点数・重大違反唆し等・道路外致死傷・危険運転致死傷・酒酔い運転・救護義務違反などによるもの)103条1項・2項・4項
免許を受けた後に、免許を受ける前の違反などが分かった場合の免許の取消し90条5項・6項
免許の拒否(免許を受ける前の違反などを理由に、試験に合格しても免許を与えられなかった場合)90条1項ただし書・2項
6か月を超える期間の自動車等の運転の禁止(国際運転免許証などで運転している人が対象)107条の5第1項・2項、同条9項で準用する103条4項

ただし、同項の括弧書きは、次の理由でこれらの処分を受けた人を対象から除いています。

対象から除かれる人根拠
病気(幻覚の症状を伴う精神病・発作で意識障害などをもたらす病気など)、認知症、身体の障害、アルコール・薬物の中毒、適性検査の命令違反を理由に取消しを受けた人96条の3第1項の括弧書き(103条1項1号〜4号)
病気・認知症・中毒・命令違反などを理由に免許を拒否された人、病気などを理由に運転を禁止された人同(90条1項1号〜3号・7号、107条の5第1項1号)

96条の3第1項が挙げる取消しは90条5項・6項と103条1項・2項・4項によるもので、本人の申請による取消し(104条の4。いわゆる自主返納)は含まれていません。

免許が失効していた人も対象になります。 免許が失効していたために取消しを受けなかった人(病気などを理由とする場合を除く)は「準取消処分者等」として、同じく試験の前1年以内に講習を終えていなければなりません(96条の3第2項)。取消しを受けるはずだった人が、先に免許の有効期間が切れていたからといって講習が不要になるわけではありません。

講習時間・内容・手数料

取消処分者講習の行い方は、施行規則38条2項が定めています。

項目内容根拠
受け方対象になる人からの申出により行う施行規則38条2項1号
内容運転者としての資質の向上、運転に必要な適性同項2号
方法教本・自動車等・運転シミュレーター・運転適性検査器材・視聴覚教材などを使う同項3号
個別的指導コースや道路での運転、運転シミュレーターの操作、運転適性検査器材、筆記・口頭による検査などで適性を調べ、それに基づいて指導する同項4号
講習時間13時間同項5号
手数料の標準額1時間2,400円(13時間で31,200円)施行令43条1項

手数料。 講習の手数料は、政令で定める額を標準として都道府県が条例で定めます(道路交通法112条1項)。標準になる額は講習1時間あたり、物件費・施設費に対応する額が1,100円、人件費に対応する額が1,300円で、合わせて2,400円です(施行令43条1項の表)。実際の額は、住所地の都道府県警察の案内で確認してください。

講習を行う機関。 公安委員会は、取消処分者講習を、指定した機関(指定講習機関)に行わせることができます(道路交通法108条の4第1項1号)。指定を受けられるのは一般社団法人・一般財団法人と指定自動車教習所で(同条3項1号)、運転適性指導には運転適性指導員以外の人を従事させてはならないとされています(108条の5第1項)。

よくある誤解

「欠格期間が明ければ、すぐに試験を受けられる」わけではありません。 違反などで取り消された人は、試験の前1年以内に取消処分者講習を終えていなければ運転免許試験を受けられません(96条の3第1項)。欠格期間が明けることと、講習を終えていることは、別々の要件です。

「一度受けた講習はずっと有効」ではありません。 講習は受験しようとする時点から過去1年以内に終えたものでなければなりません(96条の3第1項)。1年を過ぎてから受験する場合は、講習を受け直す必要があります。

「取消処分者講習を受ければ、免許が戻る」わけではありません。 講習は運転免許試験を受けるための要件で、講習を終えても免許は与えられません。あらためて運転免許試験に合格する必要があります。

「停止処分者講習と同じ講習」ではありません。 免許の効力の停止を受けた人の講習は108条の2第1項3号の別の講習で、停止の期間を短縮するために受けるものです(講習時間は停止の期間に応じて6〜12時間。施行規則38条3項5号)。取消処分者講習は、取り消された免許を取り直すための講習で、時間も13時間と別に定められています。

取消処分者講習と関係する制度

  • 欠格期間: 取消しの後、免許を受けられない期間は、一般違反行為による取消しなら1〜5年、特定違反行為による取消しなら3〜10年です(免許取消しと欠格期間)。
  • 意見の聴取: 違反を理由に免許を取り消すときは、その前に公開による意見の聴取が行われます(意見の聴取とは?)。
  • 原付免許を受ける場合: 原付免許を受けようとする人は原付講習を受ける必要がありますが(道路交通法90条の2第1項3号)、申請した日前1年以内に取消処分者講習を終えた人は受ける必要がありません(施行令33条の5の3第3項3号)。
  • 取消しの件数: 警察庁の運転免許統計(令和7年版)によると、令和7年中の運転免許の取消しは34,510件です。この件数には病気などによる取消しも含まれていて、全員が取消処分者講習の対象になるわけではありません。運転免許統計には、取消処分者講習の受講者数の表はありません。

免許を取り直すには、欠格期間を待ち、13時間の講習を受け、試験に合格し直す必要があります。取消しに届く点数は飲酒運転など1回の違反でも積み上がります。日ごろから安全運転を心がけてください。

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よくある質問

違反などを理由に免許の取消しや拒否などを受けた人に対する講習で、道路交通法108条の2第1項2号に定めがあります。同法108条の4第1項1号と施行規則38条2項が、この講習を「取消処分者講習」と呼んでいます。免許を取り直すために運転免許試験を受ける前に、終えておく必要があります(同法96条の3第1項)。

対象になる人は、過去1年以内に取消処分者講習を終えた者でなければ運転免許試験を受けられないと定められています(道路交通法96条の3第1項)。講習を終えないままでは、免許を取り直すための試験に進めません。仮免許の試験はこの定めの対象から除かれています。

13時間です(道路交通法施行規則38条2項5号)。運転者としての資質の向上と運転に必要な適性について行い、コースや道路での運転、運転シミュレーターの操作、運転適性検査器材を使った検査、筆記・口頭の検査などによる適性の調査に基づく個別的指導を含みます(同項2号・4号)。

額は都道府県の条例で決まります。条例の標準になる額は政令で講習1時間あたり2,400円(物件費・施設費1,100円と人件費1,300円)と定められていて、13時間では3万1,200円です(道路交通法112条1項・施行令43条1項)。

必要ありません。病気・認知症・身体の障害・アルコールや薬物の中毒・適性検査の命令違反を理由とする取消し(道路交通法103条1項1号から4号)は、96条の3第1項の括弧書きで対象から除かれています。

走行予定エリアを事前に確認し、「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりを回避する目的のものではありません。

AREA DATA

都道府県別の取り締まりデータ

道路交通法違反の検挙件数(人口千人当たり・2023年度)は都道府県で差があります。全国平均は 36.1件。

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本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。