アクセルとブレーキの踏み間違いによる急加速を抑える「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」。この搭載が、AT乗用車に義務づけられました。ただし、実際に適用されるのは数年先です。「義務化された」という言葉と「今の新車に義務がある」ことは、同じではありません。ここでは、その仕組みと時期を国土交通省の資料で整理します。
どんな装置か
ペダル踏み間違い時加速抑制装置は、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故を防ぐための安全技術です。国土交通省は、これを「日本発の安全技術」と説明しています。
日本が主導して国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)での基準づくりを進め、2024年11月に国際基準とすることが合意されました。この国際基準が2025年6月に発効したことを受けて、国土交通省が道路運送車両の保安基準を改正し、国内でも搭載を義務づけることとしたものです。
対象は、クラッチペダルのないオートマチック(AT)の乗用車です。電気自動車も含まれます。
「義務化」と「今すぐ義務」は別
ここで取り違えやすいのが、義務化の公布・施行と、実際に搭載が義務づけられる適用時期が別の日だという点です。
義務化の公布・施行は2025年6月17日ですが、搭載が義務づけられるのはそこからではありません。
※ 国土交通省「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載を義務づけます!」(2025年6月17日)によります。ここでの適用時期は、新たに設計される新型車についてのものです。詳細は必ず公式情報をご確認ください。
つまり、義務が実際に効き始めるのは新型の乗用車で2028年9月から、輸入車で2029年9月からです。今販売されている新車に、この装置の搭載義務があるわけではありません。
ポイント:「義務化された」といっても、適用は2028年9月からです。今の新車に搭載義務があるわけではなく、多くの車には安全装備として任意で搭載されている段階です。
もっとも、義務化に先立って、多くのメーカーがこの種の装置を安全装備として搭載しています。義務がまだ適用されていないことと、装置が普及していることは、両立します。
2026年に基準が強化された
義務化の後、2026年1月9日に基準が強化されました。踏み間違いの検知や抑制について、より高い性能を求める内容です。
対象が乗用車に加えて、車両総重量3.5トン以下のAT貨物自動車まで広がりました。乗用車は乗車定員10人未満のAT車が対象です。
これまでの車両・壁に加えて、歩行者も検知の対象になりました。
停止状態だけでなく、クリープ走行(ブレーキを離してゆっくり前に進む状態)からの急加速も抑制の対象になりました。
この基準強化の適用時期は、さらに先です。
※ 2025年6月17日の義務化は新型車についてのものです。2026年1月9日の基準強化で、新型車は2030年9月から、継続生産車(すでに生産されている型式の車)は2032年9月から適用されます。詳細は必ず公式情報をご確認ください。
数年先を見据えた制度
この装置の義務化と基準強化は、2028年から2032年にかけて段階的に適用されていきます。今すぐ何かが変わるものではなく、数年先を見据えた制度です。
適用がまだ先だということは、裏を返せば、今のうちに「自分の車にこの装置が付いているか」「どんな条件で作動するのか」を確かめておく余裕がある、ということでもあります。装置が付いていても、あくまで踏み間違いによる急加速を抑える補助的な仕組みであり、ブレーキとアクセルを正しく操作することが基本であることは変わりません。
踏み間違いは、誰にでも起こりうる操作ミスです。装置の有無にかかわらず、発進や駐車のときにペダルの位置を確かめる、あわてて操作しない——そうした基本の積み重ねが、いちばん確かな備えになります。
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よくある質問
ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えたことによる急加速を抑える安全装置です。日本発の安全技術で、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)で2024年11月に国際基準とすることが合意され、2025年6月に発効しました。これを受けて国土交通省が保安基準を改正し、AT乗用車への搭載を義務づけることとしました。
義務化は、新型の乗用車で2028年9月1日から(輸入車は2029年9月1日から)適用されます。公布・施行は2025年6月17日ですが、実際に搭載が義務づけられるのはこの適用時期からです。今販売されている新車に、この装置の搭載義務があるわけではありません。
義務化の対象は、クラッチペダルのないオートマチック(AT)の乗用車です。電気自動車も含まれます。マニュアル車は対象外です。2026年1月の基準強化では、車両総重量3.5トン以下のAT貨物自動車も対象に加わりました。
検知対象に歩行者が追加され、停止状態だけでなくクリープ走行(ブレーキを離してゆっくり進む状態)からの急加速も抑制対象になりました。対象車種も貨物自動車まで拡大されました。適用は新型車で2030年9月から、継続生産車で2032年9月からです。
走行予定エリアを事前に確認し、注意したい地点を「気をつけよう」という意識づけにご活用ください。取り締まりの回避を目的としたものではありません。
本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。