交通事故のなかで最も多いのが追突です。前の車に後ろから突っ込む——一見単純ですが、車間距離の不足と一瞬の脇見が重なって起きます。件数は最も多い一方で、死亡事故に占める割合は低いという特徴があります。ここでは追突がなぜ多いのか、どの違反に問われて何点になるのか、そして防ぎ方を整理します。本記事は特定の実在事故ではなく、一般的な類型の解説です。
① どんな事故か
内閣府『令和8年版交通安全白書』によると、令和7年(2025年)中の交通事故で、追突は全事故の28.0%を占め、事故類型のなかで最も多い類型です。一方、死亡事故に占める割合は5.6%(7位)にとどまります。件数は最も多いのに死亡につながる割合は低い——これが追突の特徴です。
追突の多くは比較的低速で起きやすく、後方からの衝突は正面衝突などに比べて致命傷になりにくいためと考えられます。ただし、高速道路など速度の高い状況では重大な結果につながることもあり、「多いから軽い」と決めつけるのは危険です。件数と死亡率の関係は事故類型の総論でも整理しています。
ポイント:追突は最も多い事故ですが、死亡事故では下位です。ただし速度の高い場面では重大化します。
② なぜ起きるか
追突の主な原因は、車間距離の不足と脇見(前方不注意)です。前の車が急に減速したとき、車間が詰まっていたり視線を外していたりすると、ブレーキが間に合いません。スマートフォンの操作や考えごとで一瞬前を見ていないだけでも、車は止まってくれません。たとえば時速60kmでは、1秒間に約17m進む計算になります。「一瞬だけ」のつもりが、車間を一気に詰めてしまうのです。
渋滞の始まりや信号の変わり目など、前の車の動きが読みにくい場面ほど、余裕のある車間が安全につながります。
③ どの違反か・何点か
追突は、その原因によって問われる違反が変わります。前をよく見ていなかった場合は安全運転義務違反、車間を詰めすぎていた場合は車間距離不保持、スマートフォンなどを操作していた場合は携帯電話使用等(ながらスマホ)に問われることがあります。
そして、事故がけがや死亡につながると、これらの違反そのものの点数(基礎点数)に、事故の結果に応じた付加点数が加算されます。付加点数は、次のように事故の程度と責任の程度で決まります。
| 事故の程度 | 専ら本人の不注意による場合 | その他の場合 |
|---|---|---|
| 人の死亡に係る事故 | 20点 | 13点 |
| 治療期間3月以上または後遺障害あり | 13点 | 9点 |
| 治療期間30日以上3月未満 | 9点 | 6点 |
| 治療期間15日以上30日未満 | 6点 | 4点 |
| 治療期間15日未満または建造物損壊 | 3点 | 2点 |
※ 警視庁『交通事故の付加点数』による。
たとえば相手にけがをさせてしまうと、基礎点数だけでは済まず、治療期間によっては一度の事故で免許の停止に至る点数になることもあります。
④ 防ぎ方
追突を防ぐ基本は、十分な車間距離を保つこと、前方から視線を外さないこと、そして速度を控えめにすることです。速度が上がるほど、危険に気づいてから止まるまでの距離は伸びます。前の車との間に「もう1台分」の余裕を持つ意識が、追突の多くを防ぎます。
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よくある質問
令和7年(2025年)の統計では、追突は全事故の28.0%を占め、事故類型のなかで最も多い類型です。一方、死亡事故に占める割合は5.6%(7位)で、件数の多さのわりに死亡につながる割合は低いのが特徴です(内閣府『令和8年版交通安全白書』)。
原因となった違反の基礎点数(安全運転義務違反や車間距離不保持など)に、事故の結果に応じた付加点数が加わります。付加点数は、けがの治療期間や死亡といった事故の程度と、責任の程度によって決まります(警視庁『交通事故の付加点数』)。人身事故では基礎点数だけでは済まない点に注意が必要です。
十分な車間距離を保つこと、前方から視線を外さないことが基本です。スマートフォンの操作や考えごとによる脇見は、気づいたときには距離が詰まっているため危険です。速度が上がるほど、危険に気づいてから止まるまでの距離は伸びます。
いいえ。特定の実在事故ではなく、追突事故の一般的・教育的な類型解説です。注意喚起を目的とした一般情報です。
本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。