高齢運転者の事故は、しばしば「増えている」と語られがちですが、実際の数字は少し違います。死亡事故の件数は前年より減っている一方で、致死率は高いという特徴があります。ここでは、統計から見た特徴と、本人・家族・周囲でできる実際的な備えを整理します。本記事は特定の個人や実在事故ではなく、一般的な解説です。
① どんな事故か
内閣府『令和8年版交通安全白書』によると、致死率は65歳以上で2.56%と、65歳未満(0.39%)の約7倍です。ただし、75歳以上の運転者による死亡事故は令和7年(2025年)で397件と、前年より13件(3.2%)減少しています。「増えている」というより、件数は減りつつ致死率が高い、という状態です。
割合で見ると、75歳以上は運転免許保有者の10.2%ですが、全死亡事故に占める割合は17.6%です。免許保有者10万人当たりでは75歳未満の約2倍にあたります。なお、致死率が高い背景には、加害のしやすさだけでなく、事故にあったときに身体が受けやすいという面も含まれます。
ポイント:「増減」と「致死率」は別の指標です。件数は減っていても、致死率は高い、という両方を分けて見ることが大切です。
② なぜ起きるか
高齢運転者の事故には、相手のいない車両単独の事故が多いという特徴があります。令和6年のデータでは、75歳以上の車両単独の構成率は45.5%で、75歳未満(17.9%)の約2.5倍でした。ハンドルやペダルの操作を誤る「操作不適」の割合も、75歳以上で33.1%と、75歳未満(10.7%)の約3.1倍です。
加齢に伴って、とっさの判断や操作に時間がかかることがあります。これは誰にでも起こりうる変化で、単独事故につながりやすい要因のひとつです。
③ 事故のときの点数(年齢では変わらない)
事故を起こしたときの違反点数の扱いは、年齢によって軽くなることはありません。操作を誤って事故になった場合も、安全運転義務違反などに問われ、事故の結果に応じた付加点数が加算されます。付加点数は、次のように事故の程度と責任の程度で決まります。
| 事故の程度 | 専ら本人の不注意による場合 | その他の場合 |
|---|---|---|
| 人の死亡に係る事故 | 20点 | 13点 |
| 治療期間3月以上または後遺障害あり | 13点 | 9点 |
| 治療期間30日以上3月未満 | 9点 | 6点 |
| 治療期間15日以上30日未満 | 6点 | 4点 |
| 治療期間15日未満または建造物損壊 | 3点 | 2点 |
※ 警視庁『交通事故の付加点数』による。
④ 備えと対策
大切なのは、本人を責めることではなく、実際的な備えを整えることです。自動ブレーキなどを備えた安全運転サポート車(サポカー)を選ぶ、運転技能検査や高齢者講習を運転を見直すきっかけにする、必要に応じて運転をやめる(返納する)という選択肢を持つ——こうした備えが事故を減らします。あわせて、家族や周囲が体調や運転の変化にそっと気を配ることも、本人の安全につながります。
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よくある質問
75歳以上の運転者による死亡事故は、令和7年(2025年)で397件と前年より13件(3.2%)減少しています。ただし、免許保有者10万人当たりでは75歳未満の約2倍で、致死率も高い傾向があります(内閣府『令和8年版交通安全白書』)。増減と致死率は別の指標として分けて見る必要があります。
相手のいない車両単独の事故の割合が高いことです。令和6年のデータでは、75歳以上の車両単独の構成率は45.5%で、75歳未満(17.9%)の約2.5倍でした。ハンドルやペダルの操作を誤る「操作不適」の割合も高くなっています。
安全運転サポート車(サポカー)の活用、運転技能検査や高齢者講習を機に運転を見直すこと、そして本人だけでなく家族や周囲が体調や運転の変化に気を配ることが挙げられます。
いいえ。特定の実在事故や個人ではなく、統計に基づく一般的・教育的な解説です。注意喚起を目的とした一般情報です。
本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。