歩行者が道路を横断しているときに起きる事故は、件数こそ多くありませんが、死亡事故では上位を占めます。歩行者は生身のぶん、衝突すると重大な結果になりやすいためです。ここでは、とくに夜間に死者が集中する理由と、運転者側でできる対策、事故のときの違反点数を整理します。本記事は特定の実在事故ではなく、一般的な類型の解説です。
① どんな事故か
内閣府『令和8年版交通安全白書』によると、令和7年(2025年)中の交通事故で、歩行者横断中は全事故の7.7%ですが、死亡事故では22.0%(2位)を占めます。件数のわりに死亡につながる割合が高く、約2.9倍の開きがあります。
とくに注目したいのが時間帯です。歩行中の死者のうち約67%が夜間に集中しています。一方で、けがにとどまる重傷者は昼間のほうが多くなっています。つまり、夜間は事故の「件数」が増えるというより、起きた事故が「死亡」につながりやすいのです。件数と死亡率の関係は、事故類型の総論でも整理しています。
ポイント:夜間は事故が増えるのではなく、死につながりやすくなります。歩行者が見えにくく、発見が遅れると止まりきれないためです。
② なぜ起きるか
夜間や薄暮の時間帯は、運転者から横断中の歩行者が見えにくく、発見が遅れがちです。横断歩道のない場所を横断する人も少なくありません。暗い服装や、街灯の少ない道では、気づいたときには距離が詰まっていることがあります。
ここで大切なのは、歩行者側だけの問題にしないことです。歩行中の死者のうち、歩行者側に法令違反があったのは約6割で、残りの約4割は違反がありませんでした。つまり、歩行者が正しく横断していても事故は起こりえます。運転者が「横断してくるかもしれない」と予測して備えることが、事故を防ぐ鍵になります。
③ どの違反か・何点か
運転者の側は、横断中の歩行者の通行を妨げた場合、横断歩行者等妨害等(2点)などに問われることがあります。そして、事故がけがや死亡につながると、この基礎点数に、事故の結果に応じた付加点数が加算されます。付加点数は、次のように事故の程度と責任の程度で決まります。
| 事故の程度 | 専ら本人の不注意による場合 | その他の場合 |
|---|---|---|
| 人の死亡に係る事故 | 20点 | 13点 |
| 治療期間3月以上または後遺障害あり | 13点 | 9点 |
| 治療期間30日以上3月未満 | 9点 | 6点 |
| 治療期間15日以上30日未満 | 6点 | 4点 |
| 治療期間15日未満または建造物損壊 | 3点 | 2点 |
※ 警視庁『交通事故の付加点数』による。
歩行者側の違反の有無にかかわらず、運転者には横断中の歩行者を保護する義務があります。
④ 防ぎ方
歩行者横断中の事故を防ぐ基本は、夜間に前照灯を早めに点灯すること、横断歩道以外でも人が横断してくる前提で速度を控えることです。暗い場所や見通しの悪い場所では、いつでも止まれる速度に落とし、横断しそうな人がいないか予測しながら進みましょう。相手が見えてから反応するのでは、間に合わないことがあります。
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よくある質問
歩行者は生身のため、衝突すると重大な結果になりやすいからです。令和7年(2025年)の統計では、歩行者横断中は全事故の7.7%ですが、死亡事故では22.0%(2位)を占めます。とくに歩行中死者の約67%が夜間に集中しています(内閣府『令和8年版交通安全白書』)。
横断歩行者等妨害等(2点)などに問われ、事故になると付加点数が加わります(警視庁『交通事故の付加点数』)。ただし歩行中死者の約4割は歩行者側に違反がなく、運転者が横断を予測して備えることが重要です。
前照灯を早めに点灯し、横断歩道以外でも人が横断してくる前提で速度を控えることです。夜間は歩行者が見えにくく、発見が遅れると止まりきれません。「夜は事故が増えるのではなく、死ぬ」という点を意識することが大切です。
いいえ。特定の実在事故ではなく、歩行者横断中の事故の一般的・教育的な類型解説です。注意喚起を目的とした一般情報です。
本記事は安全運転の注意喚起を目的とした一般的な情報提供です。取り締まりの回避を勧めるものではありません。最新かつ正確な情報は、警察庁・各都道府県警察などの公式情報をご確認ください。